鳥取 寒ブナ漁に影響


魚のカビ臭の原因となるオシラトリアが異常発生した湖山池 鳥取市の湖山池で、湖水や魚にカビ臭が付く原因となる植物プランクトン「オシラトリア」が異常発生し、漁業者が旬を迎えた寒ブナの漁を見合わせるなどの影響が出ている。琵琶湖(滋賀県)や霞ヶ浦(茨城県)など全国の湖沼でも1980年代後半から増加傾向にあるが、異常発生の詳しいメカニズムはわかっておらず、県は近く本格的な調査に乗り出す。

 2006年8月に湖山池漁協から「魚がカビ臭い」との相談が寄せられ、県衛生環境研究所が湖水を調査。1リットル中に360万~4万個のオシラトリアが繁殖しているのを確認した。昨年8月には同池西側で2100万個を記録。その後、水温が下がるにつれて減少したが、11月9日の調査でも65万~15万個あった。



オシラトリアの顕微鏡写真。琵琶湖などでも急増した時期も(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター提供) 「においがあれば出荷できない」と漁を見合わせる漁業者が相次ぎ、漁協は昨年12月22日に予定していたコイやフナなどを即売する「おさかな市」を中止。大寒(21日)のころ、石組みの漁礁で行われる伝統の「石がま漁」への影響を心配する声も出ている。

 オシラトリアはらん藻類の一種で、霞ヶ浦や琵琶湖、宍道湖(島根県)など全国の湖沼や水源のダム湖で発生し、水道水がかび臭くなるなどの問題を引き起こしている。

 原因には、湖水の滞留や生活排水などの流入による富栄養化など諸説あり、はっきりしていない。県衛生環境研究所が73年から続けている湖山池の水質調査では、汚れの指標となる化学的酸素要求量(COD)などの値は横ばいか、やや改善傾向にあるという。

 ただ、茨城県内水面水産試験場によると、緑色のペンキを流したような「アオコ」を引き起こす植物プランクトン「ミクロキスティス」などが減ったころに、オシラトリアが増える傾向がある。

 湖山池でもアオコは95年に大発生してからはあまり見られず、県衛生環境研究所の若林健二・水環境室長は「何かの要素がプランクトンの生存競争に影響し、優勢な種が交代したのではないか」とみて、調査を急ぐ方針だ。