県民の水がめの相模湖と津久井湖で八月上旬から、湖表層が緑色に染まるアオコが大発生している。昨年の同じ時期に引き続いて大量に発生しているもので、浄水場の職員や釣りボート業者は対策に追われている。

 両湖の場合、アオコはラン藻の一種「ミクロキスチス」が大量発生して起きるとされる。県企業庁谷ケ原浄水場(相模原市)によると、相模湖一地点に生息するミクロキスチスの細胞数は、昨年は、七月の一ミリリットル当たり三千個から、八月には百十万個にまで増えた。

 ことしは、七月は〇・〇九個だったが、八月三十日の調査では速報値で数万個という結果が出た。細胞数十万個で湖水が緑色に染まるといわれ、「アオコが目視できる地点では調査結果以上の藻が発生している」と担当者。「ことしは過去十年間では大きい発生だ。少雨で湖水の入れ替えが少なかったことと、生活排水や農業用水などの流入で湖水が富栄養化したのが一因では」と分析する。

 県河川課は一九八八年から、湖底から表層に水を循環させ、水温を下げる「エアレーション」を相模湖で八基、津久井湖で九基設置。過去十年は目立った発生は見られなかったといい、同課は「平年通りの気象なら効果はあるが、ここ二年は酷暑、少雨などの気象条件が重なった。様子を見るしかない」と即効性のある対策は打てずにいる。

 谷ケ原浄水場では、相模湖の水深二十メートルから取水しているが、アオコが一因で濁りが増した。八月上旬から浄水薬品を増量し、ろ過のスピードを遅くする対策を取った。

 一方、同湖では九月一日からワカサギ釣りシーズン始まる。釣り船業を営む五宝清一さん(57)は「このままではアオコがワカサギの体に張り付き、食用には責任を持って勧められない」と現在は予約を断っている状態で、水質が改善され操業が開始できるよう願っている。