朱門に 酒肉臭

路に凍死者の骨有り

栄枯()(せき)

惆恨(ちょうこん) (ふたた)び述べ難し

 

()(せき);ほんの少し、惆恨(ちょうこん):恨み歎くさま

 

Yoshiのつぶやき】

この詩は杜甫の思想の原点のような詩だ。杜甫が官位を得て、長安から

妻の実家の奉先県へ疎開中の妻と子供を連れに行ったときのものだ。

500語ある詩のごく一部の抜粋だから、全体を知ることが必要だ。

実家に帰ってみると、酒を飲み 肉を食い騒いでいる人々が居る傍らで

凍死した人の死骸が転がっている。栄枯はほんのちょっとの差異だ。

杜甫は此処で自分の子供が死んだことを聞き、歎き悲しんだとのことだ。

自京赴奉先県はこの旅を500字にまとめた長編である。上に上げた部分

はほんの一部なので、杜甫の深い気持ちを探ることはできないが、

杜甫が最も伝えたかった所が現れている。