河南北

劍外(たちま)ち傳ふ 薊北を(おさ)むと 
初めて聞いて 涕涙衣裳に滿つ
(しりぞ)
いて妻子を看れば 愁ひ何くにか在る
漫に詩書に(めく)り喜び狂はんと欲す
白日放歌して (すべから)く酒を縱にすべし

青春伴を作し好し 郷に還らん

即ち 巴峡より巫峡を穿ち

襄陽に下って洛陽に向かはん

 

(けい)北:地名

Yoshiのつぶやき】

この詩は、意味深い詩だ。

剣外とは剣門の外、(けん)(ほく)が陥落したと漢軍から傳えてきた。

始めて聞いて涙がでた。これで家族も一安心。

この詩のスケールの大きさ、成都から長江を下り、洛陽へ

行くなど地図で見るとものすごい距離だ。

成都から武漢まで長江を下り、北に向かって襄陽まで、更に北へ

黄河流域の洛陽まで帰る話だ。