山居
空(むな)しい山で新雨の后 天気は晩になって秋らしくなってきた
明月が松の間に照り 清らかな泉は石の上に流れている
竹は喧(やかま)しく浣女(かんじょ)は帰っていく 蓮は動き漁舟が下る
春芳の歇(けつ)は随意(ずいい)なるも 王孫自(みずから)留(とどまる)べし

浣女:洗濯女 歇(けつ):つきる 春芳:春の芳しさ、若い女性

【Yoshiのつぶやき】
山荘で一人過ごす心境を顕す詩である。
雨が上がると、晩秋が近づく気配が濃厚である。
月が松の間から姿を見せ、石の上を溪流が流れる。
竹藪で洗濯女が喧しく帰って行った後は、蓮が動き
漁船も帰った。女性の色香が褪せるのは如何とも
し難いけれど、自分はここに残って瞑想しよう。