国破山河在 城春草木深
感時花濺泪 恨別鳥惊心
烽火連三月 家書抵万金
白頭掻更短 渾欲不勝簪
国破れて山河在り 城春にして草木深し
時に感じては花にも泪(なみだ)を濺(そそ)ぎ 別れを恨んでは鳥にも心を惊(おどろ)かす
烽火三月に連(つら)なり 家書万金に抵(あた)る
白頭掻(か)けば更に短かく 渾(すべて)簪(しん)に勝(た)えざらんと欲す。
家書:家からの手紙
【Yoshiのつぶやき】
国破れて山河ありとはどういうことだろう。
杜甫が46歳の時、安禄山の乱があり、長安の敵陣に軟禁されていた。
その時の心境ということだから、長安の街は戦乱で破壊され 
めちゃくちゃになったけれど、春になって草木は何もなかったかのように緑を
茂らせているというのが前半だ。花を見ているとつい涙がでてくる。
戦争の砲火が3月も続くと、家からの手紙が恋しくなる。
気がつけば、髪も薄くなり、簪(かんざし)もかからなくなった
とは何とも生生しい。59歳で亡くなっている。