
禾(か)を鋤(す)いて日午(ご)に当たる
汗滴る禾下の土
誰(たれ)か知る盤(ばん)中の餐(さん)
粒粒皆辛苦
稲を鋤いていたら昼になった。
稲の下の農地に、汗が滴り落ちている。
晩御飯を食べるとき、皆は一粒一粒が
農民の辛苦の賜物だと考えるだろうか
【Yoshiのつぶやき】
作者の李紳は、中唐の詩人である。上の詩は、作者の思いやりというか反省を歌った
ものだと思うけれど、今まで、漢詩と言えば景色を歌ったものや、美しい日常を歌うも
のだと思っていたので、新鮮であった。
しらべてみると、このような李紳の詩が、他にもあるらしい。
今回のテキストはシンガポールで来た2冊の子供向け詩集を使っているが、現在の中国
人が子供のために選んだ詩だから、数十年前に前にYoshiが学んだ吉川幸次郎先生
の「新唐詩選」と同じだったらかえって変なものだから、当然以前のものとは異なるのだが、
そう思ってみると、今度は、先の「春暁」ではないが、昔習ったものが、出て来るのが今度
は不思議に、思える。
昨今、日中がギクシャクしているけれど、日本が中国から学んだものが如何に多いか思い
知らせれることだ。
禾:稲 盤:食器 餐:夕食