【再処理(軽水炉用)】

再処理とは原子力発電所の使用済み核燃料を化学処理し、新しく生まれたプルトニウム(U238Pu239)と残ったウランを回収することです。未使用の燃料棒には二酸化ウランの燃料ペレットが封入されていますが、原子炉で使用されると核分裂によりウランが別の元素に転換します。それら核分裂もα崩壊やβ崩壊による核種変換により別の物質へ変化していきます。そのため使用済み核燃料の中には多数の原子が混在します。このような使用済み燃料の中から未反応のウランおよび生成したプルトニウムを取り出します。

最初に使用済み核燃料を燃料棒の状態のまま細かく切断し濃硝酸に溶かします。上澄みをリン酸トリブチル(油相)と混合するとウランおよびプルトニウムが回収されます。

日本では、日本原子力研究開発機構(旧動燃)東海村と日本原燃六ヶ所村で処理されます。

再処理(高速炉用)】

高速増殖炉の使用済み燃料の再処理は軽水炉用と燃料集合体の形状がことなり、またプルトニウムの量が多く燃えている度合いが高いことより新たな開発が必要です。

【プルトニウムの転換・加工】

プルトニウムは、再処理によって回収されます。このプルトニウムを高速増殖炉や新型転換炉に利用します。また従来の原子炉(軽水炉)にも利用する計画(フルサーマル計画)も進めています。

転換とは、再処理から取り出したプルトニウム(硝酸プルトニウム)とウラン(硝酸ウラニル)とを混合し、マイクロ波で混合粉末にすることです。

加工とは混合粉末をペレットに加工することです。

【放射性廃棄物の処理・貯蔵・処分】

放射性廃棄物とは、核燃料物質を利用する設備などから発生し、放射性核種を含んだ、気体・液体・固体状のもので、処分のあてのないものです。

処理・貯蔵・処分とは、この放射性廃棄物を取り扱う一連の管理手順です。


廃棄物

上図は放射性廃棄物で、キャニスターは、地下に設置場所に保存されます。

問題は、次回以降のテーマである原発事故の廃棄物です。従来想定していたものとは桁違いに発生した放射性廃棄物の処理が連日新聞誌上で報道されています。この問題は別途次項で検討したいと思います。