発電っていうのは、電気を作ることだけど、判り易く言うと、電池を繋いでモーターを回したことがあると思うけれど、その逆が発電だ。何かの力で大きなモーターを回すと電気が起きる。回す手段は何でもよい。風で風車を回せば風力発電、滝の下に水車を置いて回せば水力発電。火を焚いて水蒸気を作りタービンを回せば火力発電である。水蒸気を作るのに熱源として原子力を使ったものが原子力発電だ。上の図は動燃(動力炉・核燃料開発事業団)資料からの抜粋だ。
軽水炉と呼ばれるものに、2種類ある。BWR(沸騰水型)とPWR(加圧水型)だ。
【BWR】
原子炉格納容器とは、一番重要で危険の大きい原子炉部分を覆う厚さ1.5mほどのドームだ。東京電力柏崎を訪問したことがある。
厚い壁を通過するとき両側にドアがあり、むき出しのコンクリートの通路を横切ったことを今も記憶している。上の図で赤く見えるものは燃料棒だ。制御棒は下から入る。制御棒は、中性子を吸収し易い炭化ホウ素などでできており、原子炉休止中には、ウランから放射された中性子を封じ込めて反応が進まないよう制御している。
原子炉内で水色の濃い所は液体の水が、薄い所は水蒸気が封じ込まれている。沸騰水型反応炉内では、反応熱で水が蒸気となり、格納容器の外へ送られタービンを回しては発電する。
建設中の反応炉内に入らせてもらったが内径⒑mぐらいの鉄の魔法瓶のような所だった。
沸騰水型原子炉内では大気圧に近いところで沸騰している。
【PWR】
加圧水型原子炉では、原子炉は300℃以上の加圧状態で、過圧水中で反応し、原子炉格納容器内に原子炉と蒸気発生器が設置されている。図で明らかなようにタービンに接する蒸気は蒸気発生器のところで原子炉とは隔離されている。すなわち、タービンは放射能から隔離されている。
この構造では、蒸気発生器で、一次・二次冷却水が熱交換するので、蒸気発生器の製作がキー技術となる。
下の写真は東電柏崎沸騰水型発電所である。
下の写真は燃料棒である。