話題の本だ。論点が、r:純粋な資本収益率(税引き前)と ℊ:世界産出の成長率の関係だ。
もともとは、格差:を論じた経済学はこれまでもあったけれど、従来は⒛世紀前半のアメリカのデータしか扱っていなかったものを、税務当局が持っているデータを活用して現在に当てはめたものだ。
上のグラフは「21世紀の資本」の中でピケティーが述べているものです。(データ解析結果です。)
rは、株や不動産、債券などへの投資による資本収益率
gは、経済成長率だ。
r > g
ということは、例えば 資本収益率が5%、経済成長率が1%としてみると、株・不動産など、多くの富を持つ富裕層は年々5%づつ
富が増えて行くのに、投資余力のない平均的労働者の給料は年々1%づつしか所得が上がらないのだから、貧富の差はどんどん広がっていく。
図1で見ると、資本収益率は西暦の始めから今日まで、4-5%です。してみると、勤勉にサラリーマンを続けていても。親の相続など何もない身ではついぞ富裕層になるなどあり得ないではないかということだ。経済成長率などといってもせいぜい行っても4%だ。
いきなり式が出てくるのが気になるけれど、ピケティーの言い分を聞いてみよう。
国民所得に占める資本所得の割合(α)は、下の図で示されます。これがこの論文で最も大切な指標だ。別の言い方をすれば、αは資本分配率で、年間の国民所得の中で労働に分配されなかった部分です。
もう一つの指標βを導入しよう。国民全体の所得の資本に対する比率の推移だ。図3に締めっします。
この数値は、実際観察されたデータです。(ここで資本は不動産や株式んどの既保有量をしめす資本
若干話は前後しますが、図3に指摘するように、欧州の資本/所得比率 (β)は⒛世紀の後半以降拡大してきました。
ピケティーの三段論法に示すように、この資本/所得比率に資本収益率(r)を掛けると、図2のαが導かれます。
αは、資本収益率が今後も図1にあるように、5%前後で推移すればβの増加によって(図3のように)増加しますが、これは、今後資本所得シェアが上昇することを示します。その分労働所得のシェア(労働配分率)は減少します。
つまり、株を買い、土地を買わなければいつまでも貧乏が続くってわけだ。
各国の富裕層の所得データは上のようになっています。日本・欧州では所得格差は比較的
小さく、所得上位0.1%の比率は2%くらいです。
一方、米英、カナダ、オーストラリアでは、特に米国では、上位0.1%の所得が総所得の8%にもなっています。
米国の上位1%で国民総所得のおよそ20%を占めています。米国の最大の特徴は、資本所得ではなく、労働所得格差が前代未聞の拡大を遂げた点にあります。1980年以降毎年超高額の報酬を得るスーパー経営者が登場したのです。
上の図は新興国の経済格差です。上位1%の富裕層の割合ですが、アルゼンチン、インド、インドネシア、南アフリカで一旦収まりかけた貧困格差が、ここへ来て再度拡大しているのは問題だし、その中に新しく中国で貧困格差が拡大しているのも大きな問題です。
経済の勉強をしないと大損をするかもしれないと反省しています。