私達は、知らないところで放射線のお世話になっています。どこでお世話になっているのでしょうか。温泉は別としても、私達が食べている「こしひかり」や「ささにしき」やほかの優良なお米は、放射線によって品種改良されたものなのです。風が吹いても倒れにくいように、背丈があまり高くならず、茎が太く、っそして一つの稲穂に大きな実が沢山つくような品種がつくり出され、それらの種子が全国にいきわたるようになったおかげで、少々低温の年でも、少しくらい日照時間が不足な年でも、年々豊作を迎えることができるのです。
ところで、日本で使われている密封されていなあい放射性の原子のうち、その9割近くが医療に使われていることをご存知でしょうか。代表的な使われ方の一つが、ガンなどの病気の診断です。いまは予防医学の時代でもあります。ガンの検診は早い時期に受けたいものです。X線診断の専門医は5ミリメートルぐらいの小さな肺ガンでも見つけてしまうそうです。
世の中にはガン細胞に集まりやすい性質をもった物質があります。この物質に放射線を出す原子をごく微量つけて医薬品として作り上げ、それを注射します。すると、体に入ったこの物質はガン細胞のところに集まってきます。その結果ガンの有る所からだけ放射線がでてきます。この放射線を体の外から検出するとどこまでガンが進行しているかが判ります。