イエレン 
日頃の生活の実体験から、みな消費税35%の大変さは感じていると思うのだけれどそれでも消費税35%を提案せざるを得ないのは、そうしなければどうにもならないことの他に、ハイパーインフレはもっと恐ろしい。消費税35%の方がずーっとましだということだ。

ハイパーインフレってどんなもの?

 

ハイパーインフレとは、短期間に物価が、数倍から数十倍に高騰することです。

かりに、1,000%のハイパーインフレになったとしましょう。

国民の資産は、約1,000万円失われる計算です。消費税が35%増税されるとどうでしょう。その場合にも約1,000万円の資産が政府に移動することになります。ただし、何十年もかけてゆっくり移動することになります。

ハイパーインフレの場合、景気が急激に悪化して成長率が低下し、国民生活が甚大な打撃を受けます。無数の企業が倒産し、失業者が倍増します。金利の上昇で、住宅ローンが返せなくなり、自己破産する人が続出します。

消費税35%なら、導入一年目は景気が相当冷え込むとしても、その後は安定してくる。企業倒産もそうひどくはないはずです。消費増税では総額が一人当たり1,000万円でも50年間にならせば、毎年20万円です。

しかもインフレは不公平です。消費税なら、誰でも消費するので公平です。ハイパーインフレですと、預貯金を持っている人だけが狙い撃ちされる。不動産を持っている人だと、値上がりでかえって得をする場合がある。借金を持っている人は負債がチャラになる。このように、健全な経済関係、社会関係が、破壊されてしまう。ハイパーインフレが破壊する社会関係には、金銭に換算できない価値があります。壊れると容易に修復できません。単なる不景気では済まされない打撃となって深い爪痕を残します。一方、消費税を35%にしても、計画的に実施すれば、潰れる企業や銀行は多くない。人々にとっても受け入れ可能な負担です。

 

消費税が35%になるとはどういうことか? 妻と子供2人の勤労者所帯。かりに、年収400万円としましょう。どれぐらいの税金を余計に支払うことになるのか、消費税率は今8%ですから、27%分の増税となります。400万円x0.27=108万円。最大で108万円の増税になります。

それに対し、ハイパーインフレの場合どうなるか。日本人一人当たり1,200万円の預貯金があると言われています。4人家族ならば、4,800万円。ハイパーインフレで一人当たり1,000万円失われるとすれば、四人家族で4,000万円の預貯金が失われ800万円となります。

またたくまに、4,000万円がなくなるのと、毎年108万円を50年間にわたって払い続けるのとどちらが良いか。この50年間、医療保険や、年金、子供の教育といった公共サービスは、これまで通りに受けられる

会社も職もある。
イエレン 

フランシスコ連邦準備銀行総裁(FRB Sf)2004-2010年務め、現FRB議長である。途中ハーバード大の助教授も務めている。アメリカを安心して任せることのできる仁がいることは幸せなことだと思う。

2014-12-24 Yoshi