
気候変動のインパクト(極地)
その1:雪と氷、河と湖、洪水・干ばつ
◍夏季の極地の海上の氷の減少:確信度/高 原因/主として気候変動
◍極地の氷河ボリュームの減少:確信度/高 原因/気候変動
◍極地を覆う雪の広がりが減っている。:確信度/中 原因/気候変動他が主因
◍極地の永久凍土の広がり、特に南極、が減っている。:確信度/高 原因/気候変動が主因
◍南極大陸の沿岸沿いの氷塊が無くなった。:確信度/中 原因/気候変動が主因
◍極地の周囲をめぐる大河の流水量が増えた。(1997-2007):確信度/低 原因/気候変動
◍極地のほとんどの河川で、冬季の最小流量が増えた。確信度/中 原因/気候変動が主因
◍湖水の水温上昇,(1985-22009)と無氷期間の長期化。確信度/中 原因/気候変動が主因
◍極地のほとんどの河川で、冬季の最小流量が増えた。確信度/中 原因/気候変動が主因
◍極地の低い場所で、thermo-karst(永久凍土が解けてできた湖)が消滅し、永久凍土従来凍結泥炭地帯だった所に新しい湖水が出現した。: 確信度/高 原因/気候変動が主因
その2:樹木エコシステム
◍北アメリカとユーラシアのツンドラの灌木地帯が拡大した。:確信度/高 原因/気候変動が主
◍極地の森林限界が緯度・経度ともに前進している。:確信度/中 原因/気候変動が主因
◍亜北極の鳥の繁殖地と数が増えた。原因は雪に覆われた所が減ったことおよびツンドラ地帯にかん木が侵入してきたことによる。:確信度/高 原因/気候変動が主因
◍ツンドラ地帯で雪に覆われた部分が減り、くさむらが減っている。:確信度/高 原因/気候変動が主な要因
◍ツンドラの動物が残雪から氷に変わった影響を受けている。残雪上の雨となった。:確信度/中 原因/気候変動が主な要因
◍過去50年、西北極半島と近隣の島々で植物の種が増えている。:確信度/高 原因/気候変動が主な要因
◍南極Signy Island湖の植物プランクトンの生産性が向上している。:確信度/高 原因/気候変動が主な要因
その3:海岸線の浸食と漁獲の変化
◍極地全体として海岸線の劣化が激しい。:している。:確信度/中 原因/気候変動が主な要因
◍海鳥の再生産が失敗している。(減っている)。: 確信度/中 原因/気候変動が主な要因
◍極地の在来生物種が減少している。: 確信度/高 原因/気候変動が主な要因
◍南極海のアザラシと海鳥が減少している。: 確信度/中 原因/気候変動が主な要因
◍南極海の有孔虫の殻の厚みが薄くなっている。海水の酸性化も一因: 確信度/中 原因/気候変動が主な要因
◍南極のスコティア海のオキアミ密度が減っている。: 確信度/中 原因/気候変動が主な要因
その4:食糧生産/生活
◍極地の原住民の生活への温暖化のインパクトは、経済的、社会政治的インパクトの枠を超えている:確信度/中 原因/気候変動
◍ベーリング海峡の交通量が増えている。:確信度/中 原因/気候変動が主因である。
【Yoshiのつぶやき】
前にも述べたが、地球温暖化とは、地球は初めて出来たときから、太陽からの入熱と、地球はらの放熱とがバランスして、この150億年ほどの間、多少の出入りはあるものの一定の温度を保って来た。別の言い方をすると、地球への入熱と出熱がバランスしていなかったならば、この間灼熱の地球になるか、凍り付いた地球になるかいずれかで、そうでならなかったことが、地球の熱バランスの出入りがゼロであったことの証明である。ところで、昨今の地球温暖化というのは、地球を取り巻く大気中に炭酸ガスが増え、大気が温まりやすくなり、この部分の温度が高くなって来たということである。
だけど、このままどんどん高くなると灼熱地球になると困るので、どうするかということだ。地球自体に自己制御性がある。
地球の温度が高くなると、地球からの放熱、これは熱の放射によるものだが、放熱は温度が高くなると高くなる。太陽からの入熱は変わらないので、高くなった地球の温度とバランスし一定になる。このままいくと今世紀末に地球の平均温度が4℃高くなるというのはそういう意味だ。
ところで、この地球の平均温度というのが問題だ。地球の場所、場所で上昇温度が変わり、平均すると4℃ということだ。
地球の温度が高くなるのは、空気中を太陽光線が通過るとき大気温度が高くなるということだから、太陽光の大気通過距離が長くなると、上昇温度は高くなる。朝日が昇る時のことを考えてみよう。朝水平線から太陽が昇る時、通過距離が最も長く、太陽が真上に来た時、一番短くなる。このことは、紙に絵を描いてみるとすぐ判る。朝夕太陽が真っ赤に見えるのはそのためだ。
長々書いてごめん。言いたかったことは、平均温度上昇が4℃とすると、北極・南極では温度上昇は8℃ぐらいになる。今日検討した極地では、温暖化の影響が大きくなり、氷の溶解も高くなる。事実北極・南極で氷がどんどん解けている。
もう1つ重要なものがある。オキアミと有孔虫だ。
南極海では南極周回流と呼ばれる大きな海流が流れており、南極とそれ以外を分けている。南極周回流は還流であり、上空の偏西風帯の影響で西から東へ流れる。一方南極大陸沿岸には東から西へと風が吹く緯度帯があり、海流も東から西へ流がれている。これは、東風皮流と呼ばれ、南極周回流れと逆向きなので、この2つの海流の接線には潮目ができ、ここに深層から暖かい海水が上昇してくる。この水は栄養に富み、多くの植物プランクトンを繁殖させる。
水産庁の推定によれば、南極オキアミの資源量は約6,000万トンである。年間漁獲量はおよそ500万トンであるから直ぐに取りきってしまうことはないが、オキアミの重要性から考えると、そうも言っていられない。ちなみに、1種類としては世界最大のバイオマスは、オキアミであるとの報告もある。(Wikipedia南極海)
先に、巨大な人間集団(2012-5-7)として、バイオマス量を推定したことがあり、微細藻が最大であること

は、間違いないが、次いで、人、イカ、イワシ(1億7,000万トン)としたから、6,000万トンが最大では困るのだが、いずれにしてもオキアミが大きな位置を占めることは間違いない。
オキアミが、ペンギンやクジラの餌であることはよく知られている。シロナガスクジラは夏はオキアミが豊富な北極海・南極海の積氷まぎわ、まで回遊し、捕食する。
もう一つの有孔虫である。有孔虫は石灰質の殻を持つアメーバ様原生動物で、普通は1mm以下の大きさである。細胞内共生体として、様々な微細藻を持っているものが多い。今まであまり気にしていなかったが、此の世で間違いなく最大のバイオマスを持つ微細藻と共生しているとなると、話は別だ。今後、積極的に調査しようと思う。

有孔虫の賦存量は膨大で、太平洋に点在するサンゴ礁を取り巻く白い砂はほとんど、有孔虫の死骸だとすれば、その砂と共生していた微細藻と併せ、有孔虫の存在は重要である。上の写真で有孔虫の丸い部分が星の砂になる。