
上図は気象復元フロー(Climate-resilient Pathway)を示します。気象復元フローとは、持続的開発フローで、気候変動を低減するための対策と技術移転を組み合わせたフローで、効果的なリスク管理を繰り返し実行するプロセスです。
期待するところは、基本的に、世界が気象変動に関して成し遂げたことを調べて、繰り返し評価し、よりよいフローに沿っていくものです。
上の図で、赤で示す生物学的ストレスと、緑色の復元できた空間、橙色の社会的ストレスを予測し、図右端のところで、上の方の、緑の空間の多い、高復元低リスク(high-resilience, low risk)を目指すものです。
【Yoshiのつぶやき】
先に変更・移行(Transformation)という概念が出てきました。気候変動に伴って、世界が変わるから、伴って変更を余儀なくされるものがあります。実務上の、技術的な、個人的な変更がり、色々な結論を示す局面があるという主旨だと思うのですが、国家レベルでのTransformationsが最も大切だと指摘しています。
最後に補足としてアジアの状況を特記し、でIPCCを締めくくりましょう。

気候変動のインパクト(アジア)
その1:雪と氷、河と湖
◍シベリア、中央アジア、チベット高原の永久凍土の劣化:確信度/高 原因/気候変動
◍アジア全域での氷河の縮小:確信度/中 原因/気候変動
◍多くの中国河川での水飢饉:土地の過多使用 確信度/小 原因/気候変
◍いくつかの河川での流量増加:確信度/高 原因/気候変動
◍ロシア河川のより早期の春先洪水:確信度/中 原因/気候変動
◍北中部と東北中国での土壌湿度の乾燥:確信度/中 原因/気候変動
◍アジアの一部での地表淡水の減少:確信度/中 原因/土地の過多使用
その2:樹木エコシステム
◍アジアの多くの場所特に北および東アジアの生物気候学上の変化および成長の変化:確信度/中 原因/気候変動
◍多くの植物と動物の高緯度地域および北極への分布シフト:確信度/中 原因/気候変動
◍シベリアでこの10年、カラマツの樹林が松とエゾ松に侵略されている:確信度/小 原因/気候変動
◍シベリアのツンドラにかん木が進出している。:確信度/高 原因/気候変動
◍
その3:海洋線の浸食
◍人的要因での熱帯アジアのサンゴ礁現象:確信度/高 原因/気候変動
◍東シナ海と西太平洋でサンゴ礁が北上、肉食魚が日本海で増加:確信度/中 原因/気候変動
◍西太平洋でまいわし(sardine)から、かたくちいわし(anchovy)にシフト:確信度/小 原因/気候変動
◍極アジアで海岸線の浸食あり:確信度/小 原因/気候変動
その4:食糧生産
◍極ロシアで貧困層が増加している:確信度/小 原因/気候変動
◍南アジアで小麦の収量が減少:確信度/小 原因/気候変動◍
◍中国で小麦とトウモロコシの収量が減少:確信度/小 原因/気候変動
◍イスラエルで水が原因の病が増加:確信度/小 原因/気候変動も要因の一つ
【Yoshiのつぶやき】
以上は具体的地名がでてくるから、皆さんとても気になることだと思います。しかも、当然のことながら、身の回りで起きていることそのままなので屋やり切れない思いです。ここではアジアのみを記載しましたが、近く補講として、アフリカ、欧州、豪州、南北アメリカおよび南北極地と島嶼地区を取りあげることをお約束し、IPCCを終えることにします。