ブラックホールって真っ黒ではないらしいよ。
【Yoshiのつぶやき】前にちょっと暗黒物質にふれたことを覚えていてくれたかな?
太陽系でも、太陽と惑星たちとはお互いの質量に比例し、距離の2乗に反比例する力で相互に引き合っているのだが、太陽系内の見える星を勘定すると、今のような軌道は得られずどこか違っている(1934年ツビッキーの欠損質量問題)ことが判り、見えない物質がある筈だ。しかも大量に有るらしいということになっている。その見えない物質の候補に大きいな2つのグループがあり、その一つがブラックホールでもう一つがニュートリノである。まだどちらとも結論は出ていないが、もうしばらくすると結論がでるかも知れない。その当たりも気にしながら、宇宙に関心を持っていただくと面白いと思うよ。
話しを元に戻そう。
前回の話しは、ブラックホールは見えないが、ブラックホールの隣に居る星には影響を与えるし、ブラックホールと隣の星は対になって回転し、相互の影響してX線を放射することがある。そうすると完全に真っ黒な訳ではないということだった。それなら、ブラックホールの大きさを調べてみようというのが、今回のテーマだ。
1970年までホーキングは一般相対性理論研究は主にビッグバン特異点が存在したかどうかと言うことだった。ブラックホールの大きさはどれ位かとの答えるためにはブラックホールの定義を決めなければならない。「ブラックホールとはブラックホールを遠方へ抜け出すことのできない事象の集合とする」というのがホーキングの定義だ。上の図がそれを示している。ブラックホールの境界、つまり事象地平とは、ブラックホールからすれすれのところでブラックホールから抜け出しそこねちょうど縁のところをうろついている光が時空の中で辿る経路である。先週の図で、見える星から飛び出しブラックホールの縁を回っている光が事象地平である。
【Yoshiのつぶやき】前回のブログを見直していて気が付いたのだけれど、ブラックホールにも幾つかあって原初的ブラックホールというにがあって、これは初期の宇宙に作られたもので、宇宙がまだ安定していない初期の現在とは生成条件のことなるブラックホールで、そのような特異なブラックホールなら見えるかもしれないという話しだが、そう言えば、ブラックホールが見える見えないという議論があるが、光の話だ。
上の図は、電磁波の波長だ。光とは400-700nmの可視光のことだが、可視光といっても人間の可視範囲、狭い話だ。宇宙は万物のものだし、可視光だって人間とシーラカンスとでは違うはずだ。波長が可視光線より小さいX線やガンマ線の世界から見たらどうなるかと考えていたら、ブラックホールからガンマ線が放射される話しが出て来た。と同時に原初的ブラックホールの話しが出て来た。原初的とは、
話しを元に戻そう。
太陽よりはるかに小さい質量を持つブラックホールが存在する可能性がある。物質が巨大な外圧によって高密度に圧縮された場合にだけ生じる。現実的な可能性は、ごく初期の宇宙の高温・高圧の中で出来たかもしれないということだ。このようなブラックホールを原初的ブラックホールという。原初的ブラックホールの寿命は宇宙の現在の年齢にほぼ等しい程度の寿命を持つ。中には完全に蒸発してしまっているのもあるが、もう少し質量の大きい原初的ブラックホールはX線およびガンマ線の形で以前放射を続けているだろう。このX線およびガンマ線は光の波に似ているが、波長ははるかに短い。黒くはなく、実際は白くて熱く、ほぼ1万メガワットの出力でエネルギーを放出している。
原初的ブラックホールはビッグバン直後の極めて短時間の話しであるが、ここに宇宙の問題を解くカギが沢山含まれることが、多数の科学者の興味を引き付ける理由が判った気がする。
(2013-10-7 Yoshi)