雑談をちょっと。不確定性原理などと書かれたって何の事だかよく判らない。原理などと書かれた事象は、名前を付けたり、書いたりする側にとっては本当に大事なことだと思うし、事実そうだろう。読む側の話しだが、頭がすっきりしていると、そうでないとでは理解が大きく異なるのは良く経験するところだ。昨夜良く判らなかったことが目覚めの時にはすきっと理解できることも良くあることだ。
話はハイゼンベルグの不確定性原理である。重要さが段々判ってきた気がする。量子力学がようやく理解されだしたのは1926年の事らしい。ある粒子の未来の位置と速度をニュートン力学で決定できるが、そのためには、その粒子の現在の位置と速度が正確に測定できなければいけない。確実な測定の方法は粒子に光を当てることである。光の一部が粒子に散乱されその位置を示すことになる。光は波なので粒子が波の山と谷との間に入り込んでは測定はできない。波長の短い光を用いればよいが、少なくとも一つの量子を使わなくてはならない。そしてこの量子は粒子の速度を攪乱する。言い換えれば粒子の位置を正確に測ろうとすればするほど、粒子の速度の測定は正確でなくなる。つまり、量子力学は不確定原理を前提に諸元を決定すべき理論であり、シュレディンガー方程式は、不確定を認めた上で答えが見出される方法であることが判った(?)のである。
シュレディンガー方程式の解は波動の形を取っている。光は粒子と波動の2つの側面をもつが、実世界で起きる事象と、波動方程式の解とはどう折り合いが付くのか。実際起きる事象が解答を示してくれる。波の干渉と言われる事象がそれであるらしい。波が壁にぶつかって跳ね返る時に、来る波と、返る波が、壁に当たった時点でどのくらいの高さかで、来る波と返る波との合成波の高さが大きく変わる。
始め波は右から左に進んでおり、縦の黒線の壁にぶつかり方向を変えて始めの波と重なり、右へ進む。
藍色が始めの波、跳ね返った波は赤色、合成波は水色である。合成波が初めの波より低くなる、ちなみに、黒い壁が来る波が最低レベルになれば、来た波と高さが反対で差し引きすると合成波は消えてしまう。
ぶつかる壁の位置が変われば、上の図のように波の高さは2倍近くにもなる。
粒子の間の干渉という現象は原子の構造を理解する上で決定的だと言います。考えてみると、電子は原子核の周りを回っている訳だからいずれ、回るためのエネルギーの消滅で、遠心力を失い、原子核にぶつかるはずの所、いつまでも回っているのだから、不思議な話だ。シュレディンガーの波動方程式が飛びとびの解をもつことや、ブラックホールやビッグバンと、粒子の干渉がこれらの疑問に解答を与えるとしたら大変だ。
疑問はここまでに留めて先を急ごう。
(2013-9-19 Yoshi)
