数学の観点から量子力学を考える過程で気がついた。ビッグバンで太陽系ができた。地球上に生き物はいない。ただ一つ光るものがある。太陽だ。其々の惑星は、太陽系ができた時点で貯えたエネルギーは持っているがそれだけだ。火の玉だった地球が冷えて安定し生命ができたが、それ以降の外からの物質とエネルギーの地球への入力は太陽からの熱と光だ。地球上のエネルギーの収支は、短期に見ると大幅な温度上昇はなく、入るエネルギーと出るエネルギーはバランスしている。
そんな中で、百億年を超えて降り注ぐ太陽からの光エネルギーが全ての生命の源(もと)と言っても異論は有るまい。されば、君がそこにいるのは全て太陽エネルギーによってもたらされたものだ。
ここから20世紀の初め知られていた物理学(古典力学)が新しい量子力学に変わってくる。
大好きなジョージ・ガモフの力を借りて、量子力学に取り掛かろう。エネルギー量子の概念を発見したのはM.ブランクである。彼は熱力学を研究していたが、エネルギー量子の概念を発見したのはやや遅く、42歳の時だった。
M.ブランクと光量子
1900-12-14ドイツの物理学会の会合で、M.ブランクは「物体による光の放出と吸収における古典論パラドックスを解決するには、輻射エネルギーはバラバラの塊の形でしか存在しないと仮定すればよい。」と述べた。
2つのパラドックスとは、地球と原子の挙動は似ているが、違うところがある。その1、原子核の周りを電子が回っているが、回っている電子がいずれエネルギーを失い原子核にめり込み、原子が崩壊しないのは根是、その2は、原子核の周りに幾つかの軌道がある。別の言い方では飛びとびのエネルギーを持つのは何故、の2つだ。
物質は熱せられると様々な波長の電磁波を放出する。比較的低温では長い波長の輻射が主である。温度が上がり、摂氏600度くらいになると、かすかに赤い光を出す。摂氏2000度では白色に輝いて可視光の全てを放出するようになる。摂氏4000度の電子アークになると、目に見えない紫外線を放出する。その強さは温度とともに上昇する。その様子を上の図に示した。振動数νによって観測されている輻射強度をグラフに示している。振動数が高くなると、強度はいくらでも大きくなる。
M.ブランクはこの図を見て冒頭のエネルギーの飛びとび説に言及した。その言い分はこうだ。
上の図を見てほしい。思考実験だ。横軸に振動数νを取り、縦軸に各々の振動数νに与えられたエネルギーを取る。エネルギー等配分で示すエネルギーを示している。nは量子数である。
(シュレディンガーの猫がいっぱい。和田純夫より)
前ページの図を見てほしい。両端を固定したゴムを指ではじくと、色々な状態に変化する。原子核の周りの電子の軌道もこのようなものだ。波は何かのきっかけで色々な振動パターンの中で飛びとびに変化する。この種類の数がnである。
光電効果
光電効果は逆の現象だ。紫外線をプレートに当てると、電子が飛び出し、開いていた薄片Lが閉じる。紫外線照射がある強度以上になると光子が1個飛びだす。飛びとびの電子の証明だ。
地球は、ケプラーの法則に従って太陽の周りを回る。その軌道はニュートン力学で計算できる。
一方、電子も原子核の周りを回るが、ニュートン力学によれは、回転に際し電子はエネルギーを失い原子は崩壊することになる。この矛盾は、原子核を巡る軌道に電子が飛びとびのエネルギーを持って存在し、高いレベルから低いレベルへ移動する際光子を放出することで説明がつく。光子は量子(エネルギーの粒)であるから。古典力学と量子力学とをシュレディンガーの波動方程式が橋渡しする。
1905年、アインシュタインが光量子仮説を唱えて光電効果の説明をしました。その説明は、「振動数νの光はエネルギーE の1個の粒子(光子)で、E = hνと表される」ということで、hはプランク定数です。
次の近似式が実験で測定されています。
H = 6.63x10-34m2kg/s
つまり、アインシュタインが「光の粒子性」を唱えたのです。
(2013-8-19 Yoshi)


