数学は面白く、そう難しくない気がする。そうでないと思う人もいるようだ。数学が好きな人、嫌いな人と、数学で遊びたい。
かって、喜び勇んで大学に入って、昔は有った教養時代に、数学の教室へ入った。永田雅宣先生の最初の授業だ。先生、曰く、
今から言うことは、間違っているが、どこが間違っているか、君たちに聞きたい。
その1:自然数の中で一番大きい数は1であることを証明する。
一番大きい数をnと仮定する。
n = 1 だとする。n2 というのはnxnだ。nxn = 1x1 =1だ。n2= n =1 でn2とnと両方とも1だから、nが最大との仮定に矛盾しない。1は最大の自然数の候補である。
nが1より大きい時はどうだろう。(数学的にはn>1の時という)
n2とnと比べてみよう、
n2-n = n(n-1)>0
n>1 は n-1>0と同じことだ。nもn-1もゼロより大きいから、上の式は正しい。とすれば、n2はnより大きいから、nが最大の自然数だとする仮定に反する。自然数というのは、ご承知、1,2,3,4
という数字のことだ。
nが1の時だけ、仮定が成り立つということは、すなわち、最大の自然数は1だということだ。
その2:鏡では左右が逆になるが、なぜ上下が逆にならないか?
この問題が2つ目だった。
色々考えた。
答えは、次の通り。;
その1の答え:仮定が間違っている。最大の自然数なるものは存在しない。無限に大きくなる。
その2の答え:これも問題が間違っている。鏡を自分の頭の上にかざせば、上下も逆になるんだよ
ということだった。
大学の最初の数学の講義としては、どうなのか と思う人がいるのかどうか。この授業を昨日のことのように思いだすのだが、先生は、数学の巨人と言われる方だ。先生は授業でメモを取ると、数学は覚えるものではない。考えるものだ。と言われた。
この後、15年、先生は、ヒルベルトの第14問題の反例を構成され世界的偉業を達成されている。
経験的実感から思うと、よく考えたことは50年を経た今も昨日のように覚えている。最も効率のよい勉強法は必死に考えることのようだ。
(2013-1-4 Yoshi)