下の図は細胞膜のモデルだ。吾輩も膜で囲まれて生きている。ここまで考えて、生物を構成する風船玉のゴムの部分の大切さに気がついた。ちょっと振り替えてt見よう。

細胞膜( plasma membrane 原形質膜)は、細胞の表面を覆っている膜である。細胞と外界との境界であり、物質や刺激の出入り口で3ある。細胞膜の主成分は脂質(lipid)である。両端に疎水性と親水性の部分をもつリン脂質が基本単位で、疎水性の尾部が内側に、親水性の頭部が外側に向いた脂質二重膜である。細胞膜にはたんぱく質も多く、膜を貫通して埋め込まれているもの、膜の外側や内側に配置しているものもあって、これらの膜たんぱく質は細胞膜重量の半分をしめる。

 

細胞を読む 山科正平ブルーバックより)

光合成のフィコシアニンは、チラコイドという別の小胞の表面にくっついている。細胞質の中に、アミノ酸がいて、たんぱく質のフィコシアニンがおり、それ以外の組織を構成するたんぱく質がいて、細胞が完成する。たんぱく質はDNAの信号を下に、アミノ酸から作成されるが、さっきから話題のポリアミンも、グルタミン酸を原料にして合成される。

 スピルリナを例にとれば、空気中から取りこまれた窒素は、たんぱく質(アミノ酸)+ポリアニン=69%,に組み込まれ、炭水化物=25%、脂質=6%と合わせ藻体を構成する。

 ちょっと、いやかなりしつこいけれど調べたことをまとめると。

スピルリナの身元調査をすると、

 たんぱく質(アミノ酸)+ポリアミン = 69%

粗フィコシアニン(フィコシアニン+アロフィコシアニン+フィコエリスロシアニン)=50%

フィコシアニン=25

粗フィコシアニンとポリアミン共アルギニンを出発点として合成され、両者共水溶性であることより、ポリアミンもたんぱく質(アミノ酸)+ポリアミン = 69%との関連で生産されると推定される。

 

ちょっと遡って、自分のことだが、吾輩の体の中で一体何が行われているのか考えてみたい。繋がってはいても単細胞植物だ、そう複雑ではないと思うがなかなか大変だ。小胞がたくさんあってそれを細胞壁が取り囲んでいることは前に述べた。全体は水の中に浮かんでいる。ちゃんと出来上がったチラコイドがあり、外側をフィコシアニンがぎっちり取り囲んでいる。たんぱく質で光合成する。光合成には光と水が関与するが、他に酵素も関与する。チラコイドと酵素はたんぱく質だ。中心付近にDNAがある。DNAの役割の一つはたんぱく質を作ることだ。作ってもらおう。材料は何だ。アミノ酸だ。ちょっと困った。アミノ酸はどこにある。じつはYoshiのごとき化学工学屋にとってこの当たりが大変判り難いところだ。反応器が無い。

 

 無い訳ではない。全体が反応器だ。

 

水に浮かんだ細胞は、水の中から色々なものを受け取るが、最大のものは水と炭酸ガスだ。光合成が可能ででんぷんができた。窒素固定もしてもらおう。たんぱく質の原料のアミノ酸も作ってもらおう。でんぷんから化学反応でアミノ酸を合成する話だ。でんぷんが減るが仕方がない。

 

できたアミノ酸がDNAの周りを漂って出番を待つ。このあたりも化学工学屋には判り難いところだ。工場で物を作る際には材料はどんどんポンプで送りこむ。反応するものが自分でDNAに近づくなんて信じられない。アルギニンは時にフィコシアニンになり時にポリアミンになる。使わなかったアミノ酸は余ってそのあたりを漂うのだろう。吾輩の体の営みはこんなことではなかろうか。

ここまで考えて、難しいことがあることに気がついた。吾輩自身のことを考えたって、何がどのようにしてできるのか、DNAは、何を作るか決定し、材料を探すがそのDNAを作るのだって材料も必要となるし、反応速度は酵素が決め、その酵素を作るのに、さらに材料が必要となれば、物が決まる手順というかメカニズムが良く分からない。

体の中でポリアミンはどこにある” がテーマだった。結論を急ごう。

ポリアミンは全ての生物の細胞増殖と成長に必須である。其々な自己とするポリアミンを必要に応じ生産する。微細藻は微細藻なりに、ヒトだってそうだ。

ヒトは、3つの方法、体内合成、食事から、体内細菌の助けを借りて、生産する。従来は体内合成で十分と考えられていたが、最近の研究で、或る場合には、体内合成と体内細菌の合成でえは不十分で、食事からの摂取が必要であると判ってきた。高齢となり、酵素の機能が劣化した場合などである。

ヒトのポリアミン合成は、アミノ酸のアルギニンを原料として、

 アルギニン → オルニチン → PUT  SMD  SPM → 廃棄

と進む。ポリアミンの反応は可逆( )なので、必要以上に生産した時は廃棄され、過剰になることはない。

食品に含まれるポリアミンについて言えば、生物の体内で、急速で成長するものや、新陳代謝の激しい器官にい多く含まれる。タケノコとかキノコとか、肉で言えば、肝臓などに多く含まれるのは当然とは言え 面白いことだ。

(2012-11-26 Yoshi)