ここ数カ月、スピルリナと窒素固定について考えてきたが、昨夜解った気がした。

初めに、スピルリナが発生した時代には、大気中に酸素は無く、炭酸ガス濃度は、3,000ppm程度であった。窒素濃度は今よりはるかに高かったはずだ。たんぱく質濃度が60%を超えるスピルリナが出現したが、主たる要因は、生息条件だと考えられる。すなわち、高塩分・高アルカリの湖に生息している事実だろう。

この条件でこのような微細藻が発生した。

その組成は、たんぱく質55-70%,脂質6-9%,炭水化物15-20%とたんぱく質が非常に高い。これは、この生息条件で、このような結果が得られ、おそらく、30億年以上続いてきた事実があるということだろう。

ここでもう一度、窒素固定藍藻の御出ましだ。



Yoshiのブログ-ヘテロ1


ここはYoshiの仮説だ。スピルリナは何故単細胞が連なった形をしているのだろう。ある時期、いくつかのの細胞は上図の異形質細胞だったのではなかろうか。光合成は炭酸ガスを還元する反応で、水を酸素と水素にわけ、強力な水素で還元するが、酸素がでる。酸化剤と還元剤が共存したのではどうしようもないので、酸素と水素とを別々の場所に留めるためのセルが異形質細胞だ。ここで、窒素を還元しアンモニアも作るということだ。進化の過程で窒素は海水中から補給する今の形になったとすれば説明がつく。

生物圏の窒素の働きを調べよう。



Yoshiのブログ-窒素循環

スピルリナの受け持つ窒素固定に役割は、時に生産側(上記の窒素固定)、時に使用側と移ってきたのかも知れない。

大気中から窒素が取り込まれる。バクテリア-リゾビウム(根粒菌)とは異なるシステムだ。

考えてみれば、自然界に大気中の窒素を固定する方法が2つしかなく、その一つが異形質細胞で、つまり吾輩で、もう一つがリゾビウム(根粒菌)というのは大変なことだ。これに加えて、化学的合成法(アンモニアのフィッシャー合成)で大気中の窒素の固定ができたことは大変なこと。追加が多くて申し訳ないが、雷のとき、アンモニアができるが、その量は全体の10%ということだ。

マメ科植物は根に根粒を形成し、その中で窒素を固定する。インド人のベジタリアンの友達に聞くとかれらは豆やナッツからたんぱく質を摂取するという。豆は植物が次世代への橋渡しを託する物である。マメ科植物が固定した窒素が豆に集まることは想像に難くない。

(2012-10-24 Yoshi)