机の上に十数冊のSERI(Solar Energy Research Inst.)の報告書がある。全てバイオジーゼルに関するものだ。しばらく報告書を調べなおすことにした。

先に微細藻の話しをした。タンパク質の多い物、炭水化物の多い物、脂質の多いものなどある。なぜこんなことが起きるのだろう。

収穫された微細藻は重量で10%ほどのスラリーで、脂質、タンパク質、炭水化物、中間体および灰分よりなる。中間体は最初の3つに属さない低分子量体である。

脂質は、細胞膜を形成する極性脂質と細胞内の貯蔵される無極性子脂質に分かれる。


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上図で黄色で示される貯蔵脂質は小水疱として細胞内に存在するので、抽出などの操作が容易であり、バイオジーゼルなどの材料として優れている。

極性脂質は細胞壁の周囲に薄茶色で表現されている。



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細胞膜は、何種類かのリン脂質から構成されていて、脂質二重膜の裏と表では構成が異なる。

主要な4種類のリン酸のうち、フォスファチジルコリンとスフィンゴミエリンは表側に多く、他の2種類は裏側に多い。また、リン脂質物質の動きに最も大きく影響するものは脂肪酸であり、不飽和脂肪酸を持つリン脂質は飽和脂肪酸を持つものに比べて運動性に富んでいる。一般に生体膜のリン脂質の分子が、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸が一分子ずつ持っていることは実に合理的である。さらに、原生動物、藻類他で温度などの環境変化で飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸との比率が変わることがしらrうぇており、細胞膜は流動的に変化することもよく知られている。

マイアミ大学に三井先生を訪ねた時、先生はここで3,000種を超える藍藻を採取されていて、おっしゃった。マイアミは、地理的に藍藻採取に最適な環境である。浅い海、深い海、マングローブが覆い、

木の葉が水面に落ち茶色になった海。塩分だって、pHだって、随分異なるし、水温も違う。おっしゃることは、環境が変わればそこに棲む藍藻が全てことなる。多くの種類の藍藻を採取するのに格好の場所だという訳だ。全く納得である。ところで、生体膜のところで述べた話しはちょっと違う。こちらは、同じ微細藻が周りの環境に体内の組成を変えて変化に対応する話しだ。

ここで思い出した。以前実験室でユーグレナを顕微鏡で覗いていた時の光景だ。光があるとユーグレナは丸くなって光合成する。ところが暗くなると、ぶよぶよ泳いで、細長くなり動物のように動き出す。

細胞の外壁など、柔らかくなったり、固くなったり、その時の分子の動きを考えると驚きを禁じえない。

(2012-8-29 Yoshi)