大気中にはたくさんの窒素がるが、それは不活性で反応しないということになっている。

一方、地球ができた時、存在しなかった生物が発生し、光合成が始まって、単細胞植物ができ、長い時間を経て、現在に至ったが、事の始めの光合成には、太陽と水と栄養塩が必要で、栄養塩には窒素が入っているのはご承知の通り。


不活性の窒素が肥料に変る過程で、陸上植物は土壌細菌リゾリウム(根粒菌)と関わっており、水中植物に関しては、藍藻および珪藻による窒素固定が報告されている。


1900年代の始めより、中国、エジプト、インドネシア他で人口密度が急増した。人々は食料を求め農業に精を出した。1899年にドイツで完成したアンモニア合成が農産物の増産に拍車をかけたが、地球の窒素バランスがおかしくなってきた。地球温暖化もそうだが、特定の物質が、少しづつ増えていくとき人はなかなか気付かない。メタボのおじさんの全てがよく知っていることだ。日本人が特に海を汚していることは前にも述べた。外国から莫大な量の食糧(窒素を含んでいるよ)を輸入し、排水として海に流している。

水田に投入された肥料は、40%が作物に変り、過多使用の20%N22Oとして揮発し、40%が排水として海へ逃げる。



Yoshiのブログ-宍道湖

上図は宍道湖・中海をモデルに現地調査を行った検討結果である。


同じく、GHGT-6で発表したものである。宍道湖・中海では汚染が進み、かってのシジミ漁は、その1/10にまで落ち込んだ。原因は斐伊川に流れ込む上流の生活排水および農業排水である。宍道湖へ入る前の段階で、窒素・リンを除去する以外に対策はないが、調査の結果判ったことに、宍道湖へ流入する窒素・リンの量に季節変動が多いことである。水田に田植え時に投入された過剰栄養が、翌年まで収穫後の田にとどまり、翌年田植え前の湛水時にどっと流出するのである。しかるべく計画すれば窒素・リンの流出が著しく減少することは明らかであり、新しいモデル農園の建設は新たな雇用を生み出すものだと考える。

2012-8-15 Yoshi