Algae Eaterとして、イワシとハマグリとを取り上げた。いずれも水中に生息する動物である。食物連鎖の1次生産者である微細藻は水中の生息者であるから、捕食者も水中にいる訳で、イワシ、ハマグリが出てきたのである。

先に、巨大な人間集団として、地球上の動物の中で、集団として大きい順に次の図を取り上げた。


Yoshiのブログ-巨大人間集団1

大きい方から、微細藻(2,200億㌧)>人間(3.5億㌧)>イカ(2億㌧)>マイワシ(1.4憶㌧)といった。

現在の人口、70億人を、60億人と勘違いしていたので、先の数値を若干改定したが、動物で一番量の多い人間は、食べる量も多く、しかも微細藻や穀類など、食物連鎖の下位に近いものだけ食べるならまだしも、牛肉を食べたり、マグロを食べたり、さらに、人口がさらにどんどん増えるとなると、今後人間の食糧がどうなるかは、気になるところだ。

計算好きの吾輩としては、ちょっとした計算をしてみる気になった。

日本モデルで考えよう。

日本の人口:1.25億人 (日本の人口統計)

日本の食糧生産:7,100万㌧/年 (SAI INF 92)

日本の食糧輸入:5,800万㌧/年 

日本の飼料輸入: 1,600万㌧/

合計: 14,500万㌧/(1.45億㌧/)

一人当たり 1.45億㌧/年÷1.25億人=1.16/(3.18kg/)

1.25億人が、1.45億㌧食べるとすると、

世界全体(70億人)では (70/1.25)x1.45億㌧= 81.2億㌧となる。


世界の植物生産を調べると、

Vallentyne(1965)が、陸上と海洋とを比較したものがある。(海の生態学)

中で、

陸上の生産性は、2.2-3.2x1010㌧炭素/(Schridel)

海洋の生産性は、6x1010㌧炭素/(Wiley)

海洋生産性は、2.2-2.8x1010㌧炭素/(Steemann)

とある。この数値を見る限り、海洋と陸上の生産性は、ほぼ同じ、または若干海洋の生産性が高いとの合意が得られると思うが、生産性は場所により大きくことなること、年によって変わること、栽培法によって大きく変わることから、上記下線をもって当面の結論とし、加えて、先の吾輩の生産性に関する数値2,200億㌧とも若干異なるが、マクロなバランスを考える場合の数値としては十分だろう。陸上植物は、2,000億㌧ということにしておこう。


Yoshiのブログ-人間集団2

微細藻(2,200億㌧)>陸上植物(2,000億㌧)>人間(3.5億㌧)>イカ(2億㌧)>マイワシ(1.4憶㌧)

陸上植物が加わった。


毎年1億人も増える地球で、さらに、発展途上国と言われるところで、どんどん人が増える中で、人類が食べるものはあるのか? 日本食が健康に良いと言えば世界中が刺身を食べるようになる中で、食の供給が大変である。もちろん、人間の事だけを考えていたのではどうしようもなく。地球上の動植物全てが繁栄することが前提である。

一応、課題を検討出来るための、データは一応整ったとして各自で考えて見よう。

このデータは、一年間に各カテゴリーで図の中の動植物が増える量を表している。

たとえば、微細藻は世界中の海で、2,200億㌧生育するという訳だから、その中で有効利用されるものの比率ということがある。南極で微細藻が育ち、動物プランクトンが育っても、食べてくれる魚類がいなければ腐って沈むだけである。


陸上の植物だって同じだ。2,000億㌧の中には、木の幹もあれば、根もある。木の葉や、木の実を食べる動物にとって木の根や幹は食料にはならない。

これらの微細藻や陸上植物の利用率が5%だとしたら、人間や他の動物が食べることが可能な物は大変心細くなってくる。いやいやちょっと待って欲しい。人やその他の生き物の食べ残しといっても、其れはそれ、人間を遥かに超える量の微生物が利用し、分解し、再利用し地球は、数十億年の間、繁栄を続けてきたわけで、困るのは人間だけかもしれない。

ここまで考えて、吾輩の言いたかったことは一体何だったかに気がついた。この図の主役は実は太陽なのだ。微細藻も陸上植物も、太陽エネルギーの数%(5%ぐらい)を取り込み、光合成し全ての話しが始まっている。化石燃料だって有るではないかと言うかも知れない。それも違う。光合成産物が過去何億年もの間地球にあって化石となったものが、原油や天然ガスだ。風力だって、地熱だって、潮力だって全てもとは太陽であることを忘れて貰っては困る。

だとすれば、限られた太陽エネルギーをどう使うかが課題だ。原子力の話しは後で考えよう。

太陽エネルギー利用に優先順位を付ければ、食料、酸素供給、エネルギーであろう。食料生産と太陽電池は競合する。水田に太陽電池を置くなど考えられない。

微細藻の多様性についても記載しよう。組成の話だ。(プランクトンの有効利用 山口克己)

タンパク質の多いもの:スピルリナ(6.6%,ドナリエラ(64.4%)

炭水化物の多いもの:サラシオシラ(51.6)%,モノクリシス(31.4%)

脂質の多いもの:イソクリシス(28.5%),テトラセルミス(23.4%)


上記の如く、微細藻の中には、タンパク質が70%近くあるもの、30%近く脂質を含むものなど、他の植物にない組成のものが居り、しかも均一微細粒子とあれば、100%食べられる。今後予想される食糧難の時代に期待されるところ大である。

2012-8-1 Yoshi