これまで、特定の微細藻について話してきたが、話題を変えて、これからの話しをしようと思う。

これまでの話しをちょっと整理すると、

その1:微細藻(植物プランクトン)は単細胞植物で、水中に生息するが、太古から現在まで生きてきた生物で、光合成するが、同じように光合成を行う草や木に比べてば抜群に生産性が高い。別の言い方をすると、太陽エネルギーを受けてそれをバイオマスに変える時、同じ受光面積あたりの生産量が最も高い。

その2:食物連鎖の一次生産者である。

その3:バイオマス生産量は多いのだが、水中に生息するので、水中から取り出して、乾燥するのに、多くのエネルギーを必要とするので、その使い方には十分考慮する必要がある。

その4:自然界では、食物連鎖の一次生産者ということだから、放っておくと、周りから動物プランクトンがわんさとやってきて、たちまち食いつくす。人が人工的に栽培するのは大変難しく、実際うまく栽培できる種類は限られ、年産50トン以上を目安にすると、古い順から藍藻スピルリナ、緑藻、クロレラ、ドナリエラ、ヘマトコッカス、海産珪藻数種など、5,6種しかなく、それも回分栽培(クロレラ、ヘマトコッカス)、特殊培地(スピルリナ、ドナリエラ)など、微細藻種類毎の、難しい運転条件が必要とされ、数万種ある微細藻のうち実用化さあれているものは極めて少ない。一方、特定の種のみを生産するのでなければ、排水処理設備などでは、数種の微細藻が混合栽培される中で経年運転が可能であるなど。今後色々な微細藻の商業化が期待されているのも事実である。

その5:微細藻は池の中に、微細藻の種株を入れ、閉鎖系で、水中に必要な、炭酸ガス、栄養塩、水を入れ、太陽光を照射するため、物質収支上、従来の農業に比べ、利用率が抜群に高い特徴がある。

 別の言い方では農業が土壌うぃ介した1年間のバッチ運転であるところ、微細藻は、光見合いの連続運転が可能であるなどの特徴を持っている。

その6:これらの特徴を生かした利用方法として、新しい機能物質の生誕、炭酸ガス固定、バイオジーゼルの生産など新しい取り組みが始まっている。

ここまで来て、始めはニュージランドと思い、NIWAのホームページを見て驚いた。進んでいる。



Yoshiのブログ-nz1

この写真と下の写真は、上下に繋がっている。排水から微細藻を作り原油を作る試みだ。上の左は全体像、下は、左から、排水受け入れ、HRAP(高効率微細藻培養池)、微細藻収穫槽だ。

HRAPは排水中の窒素・リンを使い炭酸ガスを吹き込んで微細藻を作る。


Yoshiのブログ-nz2

仲間のCraggsの設備だ。

中段左は収穫された微細藻だ。

上段はプロセスフローだ。沈降槽で固形分を除去し、HRAPで微細藻生産する。下段はパドルフォイーからレースウエイを見たところだ。

上段に戻って、プロセスフローだが、収穫された微細藻はこのフローではバイオガスを生産しているが、バイオジーゼルなどの原料となる、数年前テキサスでバイオジーゼルを用いてジェット機が飛んだが、この時の

バイオマスはニュージランドからアメリカへ持ち込んだものだ。(NIWAプロジェクト)

次回はもう少し詳しく内容を見よう。

(2012-5-29 Yoshi)