電磁波の視点で吾輩と人間とを比べて見よう。放射能が気になるところだ。
若干の理解不足もあると思うが、Yoshiの理解で、話しをすすめることにする。吾輩に関係ある電磁波は、光合成に必要な光だ。[吾輩と光との関係]で記載したように、クロロフィル、フィコシアニンが吸収する光で、太陽光のうち、ヒト(人間)の可視光、中でも赤色、青色だ。温度が高いと光合成効率が高くなるから、赤外線も影響し、反応速度に悪い影響があるやも知れず、紫外線も関係するだろう。吾輩には目はないが、指光性はあるようだから、吾輩の光環境は、赤青が主で、どこかで温度も感知する世界ではなかろうか。
ヒトの感じる可視光の光とは随分違うと思う。「だからどうした」と聞かれると答えに困るが、「そこが吾輩と人間との違いだ。」ということか。
ヒトの光環境は、上述のように、可視光の世界だ。上の図で、390~770nmの世界だ。
ところで、調べて見ると、ヒトと他の動物とでは見える光は異なるらしい。いやむしろ逆で、光そのものが変る訳ではないが、ヒトの目が見える範囲を可視光と決めたが、動物が感知する電磁波とは関係なく決められたものだ。一例を挙げるとイヌの場合、進化の過程で、色を感じる器官の発達が遅れ、いまでも色盲である。チョウは、花の蜜が命だから、色に関し過敏でヒトよりはるかに色に対する感受性が高い
よく考えれば当たり前のことだが、必要が必要な機能を作りだしているのが実態だ。
ヒト:390-770nm(360-830nm)
ミツバチ:300-650nm
チョウ:300(?)-700nm(魚類、トカゲ、鳥類、昆虫の一部に紫外線が見えるものが居る)
ハチドリ:300(?)-650nm
ハブ:赤外線を感知する
子カメは、孵化直後、薄暗い海岸で少し明るい海を目指し、チョウは白く見える花の中で紫外線近くの僅かな色の変化で、好きな蜜を探すようだ。深い海では赤い色は吸収されて既になく、紫外線の近くの光は光合成の観点からも重要である。
同じ電磁波の放射線についても正確な理解が必要だ。
放射線には、α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線がある。
α線は原子量の大きい、原子が崩壊する時、飛び出すα粒子の流れだ。高いエネルギーを持つヘリウム原子核だ。ヘリウム原子は陽子2個と中性子2個の周りを2個の電子が回っているが、ヘリウム原子から電子が取れた(?)ものだからヘリウム原子核といったが、実際は、ウランなどが分裂した時出てくる破片みたいなものだから、ヘリウム原子から電子が無くなった訳ではない。α線は放射線である。
β線は、原子核がβ崩壊する時、飛び出すβ粒子の流れだ。β粒子の実体は電子である。β線は、α線と同じ放射線である。1898年、ラザフォードが、天然ウランから2種類の放射線が出ていることを発見し、それぞれ、α線、β線と名付けた。
γ線は、放射性核種が崩壊して、質量や陽子・中性子の比率が変わっても、その原子核には過剰のエネルギーが残っていることがある。原子核は安定のためエネルギーをγ線として放出する。γ線はX線とおなじ電磁波であるが、原子核内のエネルギーの遷移を起源とするものをα線、軌動電子の遷移に起源するものをX線という。
ここで、いずれも原子核の崩壊で生成するα線、β線、γ線であるが、α線、β線は、α粒子、β粒子であり、γ線は電磁波で、波長が10pmより短いものと言う。光は波と粒子の2つの顔を持つ。β線は電子であるが、先の電子模型(吾輩と光との関係)における電子は無数の光子の集合体であってみれば、
α線、β線、γ線は同じようなものと捉えてもよいのではないと思っている。
放射性セシウムのことが気になっていたのだが、世にセシウムという放射能はない。ウランが崩壊してセシウムができる過程で、反応生成物のセシウムから、α線、β線、γ線が放射される。この放射線はエネルギーレベルは異なるが、いずれもα線、β線、γ線である。
セシウムの微粒子や、水溶液が大気中、地中、地下水中に分散して放射能を出しているというのが正確な表現だと思う。前にも述べたが、これら微粒子の捕捉には微細藻が最適だと確信する。
(2012-5-2 Yoshi)
