キノへ行ってみよう
アメリカにGlobal Seawater INC(地球海水会社? GLOBAL Seawater INC in Mexico-you tubeより)
Global Seawater INCという会社がある。アリゾナ大学のプロジェクトとして発足し、1999年、アフリカ紅海最南端エルトリアに、5ヘクタールのモデル海水農園を作った。数年の試験を経て、2003年場所をメキシコのカリフォルニア湾沿岸エルモシージョ近くのバヒアキノ(BahiaKino)海水農園の現状である。
昔、キノには果樹園があって、果物がたわわに実っていた。コロラド川はかって豊富な水量をほこり、メキシコにも十分な量の淡水があり、人々は豊かな自然を楽しんでいたが、20世紀末、米国・メキシコの両方を賄うには不十分な量となり、キノの果樹園は荒れ地となった。
アリゾナ大学が、対策に乗り出したのは、1999年のことだ。上の図に示す海水農園である。
① 海水を取水し、川を使って内陸に運ぶ。
② エビ養殖をする。二枚貝も養殖しよう。
③ 将来は海藻を育て、餌やバイオジーゼルを作ろう。
④ 魚類も養殖しよう。
⑤ 海水で育つサリコルニア(厚岸草)を育て多目的利用をしよう。
⑥ マングローブ林も作ろう。
⑦ 湿地(Production wetland)有効利用も十分に。
⑧ 将来微細藻を栽培し、餌やバイオジーゼルを作ろう。
⑨ アルテミア(ブラインシュリンプ)も重要な産物だ。
⑩ 塩田で塩も作ろう。淡水も重要な産物だ。
壮大な構想である。
もう少し詳しく見てみよう。
① 海水を取水し、川を使って内陸に運ぶ。
キノの取水サイトである。湾内に張り出した防波堤の内側に運河を掘り、上流13kmまで海水を運ぶ。
② カリフォルニア湾沿岸に大きなエビ養殖設備ができている。エビはメキシコの北、メキシコ湾のエビが有名だが、1980年代の日本企業の海上1船買いが値段の高騰を呼び現在も高い水準が続いている。
③④ここで、エルトリアの設備を見よう。急いで世界地図を見て欲しい。アフリカ・エチウオピア南の紅海沿岸だ。
⑤ 5ヘクタールの敷地に運河を引いて海水を取水し、上のように、全ての設備を配置している。詳しくは是非ユーチューブの動画を見て欲しい。
まず最初にサルコニアの畑だ。サルコニアは日本名を厚岸草という。北海道で、釧路から根室に行く途中の厚岸は、その独特な地形と大変おいしいカキ(牡蠣)で有名だが、厚岸草でも有名である。
海水で育つサリコルニア(厚岸草)を育て多目的利用をしよう。北の厚岸で海岸を真っ赤に染める厚岸草とサボテンに近いサルコニアとが同じものとは驚きだが、調べてみるとまさしく同じものだ。日本でも育つとは心強い限りだ。海水で育つこの稙物は今後砂漠の緑化などで脚光を浴びるかも知れず、その実はバイオジーゼルなど様々な用途が期待されている。
⑥ マングローブ林も作ろう。
エリトリアではこれも海水で育つマングローブがサリコルニアと一緒に生育している。
⑦ 話しをメキシコに戻そう。湿地利用(Production wetland)も有効だしその後の⑧微細藻を栽培し、餌やバイオジーゼルをつくる計画だ。
⑨アルテミア(ブラインシュリンプ)は、微細藻の収穫に関係して研究されており、⑩塩を取り、淡水を作る事業も実施している。
以上は吾輩が大変興味を持って観察しているプロジェクトである。
青年よ大志を抱け!
(2012-3-20 Yoshi)