サザエ ウミウシ カタツムリ


Yoshiのブログ-サザエ



この美しい図はウミウシだ。(National Geographic,June 2008より)

海には、色とりどりのウミウシが住んでおり、主として、海藻を餌としている。表題のサザエ、ウミウシ、カタツムリであるが、吾輩は、最初サザエに関心を持ったのだが、その理由というのが、サザエにポリアミン(第一級アミンが3つ以上結合した直鎖脂肪族炭化水素。あらゆる生体中に含まれ、細胞分裂や蛋白合成に関与している生長因子)が極端に多く含まれていたからである。

元々ポリアミン、.は窒素化合物であり、マメ科植物に多いのだが、大豆などよりはるかに多い。

そこで、サザエに関心を持ったのだが、判明したことは、サザエは他の貝類に比べてタンパク質を多く含むことぐらいであった。つぎに同じ貝類であり、食性も似ているウミウシに移ったが、上述の如く、極めて多様であり、さらに、餌に含まれる葉緑体を活かしたまま光合成させたりする。さらに、ちょっと違った視点では、この動物は直径200-1,000μmと哺乳類の10倍大きさの神経細胞を持ち、危険察知能力が高い。神経細胞がヒドラ、イソギンチャクなどの腔腸動物の腸の中で分化したことと結び付けると、ウミウシが体内に細菌を取り込むことも十分あるのではないかと思った。ついで、陸に上がり、カタツムリに行き着いたが、こちらは植物性の餌をたべるが、生の稙物や、枯葉、分解の進んだ稙物遺骸などをたべる他、菌類を餌とするものがおり、ヒト消化機構にだんだん近づいてきた。ウミウシは2000年のノーベル賞エリック・カンデル博士の研究テーマ「神経系における情報伝達に関する研究」に行き着いた。ドーバミンを見つけたアービド・カールソン博士らの研究はウミウシを使った実験でドーバミンの働きを見つけ受賞されたという事だ。何だか不思議な気がする。ウミウシは刺激を感じると直ちに、鰓を引っ込めるが、この動きが人間の知能の発達の第一歩なのだそうである。

ちょっと脇にそれるけれど、神経系って次の様なものだ。





Yoshiのブログ-ニューロン

(腸内革命 藤田紘一郎より)

原始人も肉体の他に霊魂の存在を感じていたようだが、体のどこにあるかまでは考えず、エジプト王朝になって始めて霊魂は心臓に宿ると考えるようになったという事です(脳の話、時実利彦、岩波新書)。古代アレクサンドリアのヘロフィロスが脳の中に部屋があることを発見したのは紀元前300年のことだ。

上の図は外から受けた刺激を脳へ伝達する神経細胞システムの図であるが、例えばお腹が痛いと、その情報を電光石火頭脳へ送るシステムである。あっと言う間に伝達できるなら、受ける側がどこにあろうと問題ないのだと思う。

アメーバの偽足を針でつつくと、あたかも針の先を避けるように、偽足を別の方向へ伸ばして逃げていく。また、食物の取り込み、消化吸収、老廃物の排泄などの物質代謝も行っている。アメーバは単細胞の動物であるから、これらの生命活動を一つの細胞の中で営んでいるのであるが、其々の働きを分担する構造の分化は見られないそうである。(脳の話)

生物の進化を見ると、最初に神経システムが誕生したのは脳でなく腸だそうである。生命や細胞の長い歴史の中で、最初に特殊化した細胞がニューロンです。いわば「知」に特化した特徴を持っていますが、ニューロンが最初に出現したのは、ヒドラ、イソギンチャクなどの腔腸動物の腸の中だそうです。

ここまで来てふと思い当たった。中央集権と地方分権である。頭脳を頂点とする中央集権。イソギンチャクは地方分権。その中間がウミウシだ。どちらが良いか? 頭でっかちで動の取れない日本。其々の場所で其々に問題解決するのが地方分権のイメージだと思う。大抵の問題は地方分権で対処できるが、心の問題までは無理のようだ。

心はストレスに通ずる。次回はストレスについて考えよう。

2012-2-3  Yoshi

タンパク質:特異性の高いタンパク質は生体反応を触媒する酵素である。タンパク質はアミノ酸がある一定の配列順序で、ペプチド結合で、長くなったものである。(RNA学のすすめ、柳川弘志)