ドーバミンは「幸福の使者」

人が幸せを感じるのは神経伝達物質「ドーバミン」が分泌された時だということを確かめたのが、2000年のA・カールソン博士のノーベル医学生理学賞の受賞理由である。しかもドーバミンが腸内細菌によって生産され、しかも原料は食物繊維だとすれば、大腸をもっともっと見直す必要があろう。



Yoshiのブログ

上の図は、年齢と腸内フローラ(-クサムラ)との関係だ。腸内の細菌バランスは「善玉菌いっぱい、悪玉菌少々」が理想だそうです。(腸内革命、藤田紘一郎) 

善玉菌の代表格にビフィルズ菌が居り、腸内を酸性に保つのに貢献する乳酸菌が居ます。一方、悪玉菌に、大腸菌、ウェルシュ菌,バクテロイデス、ユバクテリウム、エンテロバクターなどが居るが、気になることは、それらが、年齢に伴って大きく変化することだ。


腸の長さが、人々が住んでいる地域によってどう変化するかも調べてみた。一般論としては民族によって大きな差はないとの結論のようだが、よく見ると違ってくる。アメリカ人と日本人とはそんなに変わらないけれど(-Wikipedia)、日本人と、殆どが肉食のエスキモーとを比べると、その腸の長さは、日本人は8mのところエスキモー2m4倍も違うのです(http://2ndgeocities.jp )。国はどこかではなく、その人がどの様な食生活をしておるか、若者が、老人かなどの個人差によるもののようです。このことは肉食動物と草食動物との差などにその違いがはっきり見えてきます。肉食動物であるライオンの腸の長さが体長の4倍であるところ、草食動物ウシの腸の長さは体長の20倍となっています。


腸内細菌は、胃で消化できなかった食物繊維を分解し、自分の体に取り込みます。必要なビタミンなども合成します。後はヒトがちゃっかり体に取り込み、幸せまで享受する話だ。


話の発端は、微細藻の窒素固定です。藍藻は大気中の窒素からタンパク質を作るが、人間は食餌からしかタンパク質は作れない。草食動物は草を食べてタンパク質を作るが、肉食動物は他の動物を食べるしか方法はない。長い進化の過程で、一体何が起きたのか。動物などは元々同じものだったのが、進化の過程で、体の有る部分は進化し、有る部分は退化し、現在の姿となってはいるが、実はそれらの変化はそんなにきっちり固まったものではなく、現在も変化が続いているというのが真相のようです。


人間をコンピュータに例えると、肉体はハードウエア、行動は計算で、計算はハードとソフトがあって初めて実行でき、人間のソフトとは、冒頭の腸内細菌フローラや頭脳に記憶されたデータです。

腸内フローラは時間が経てば(子供と老人では)変化するし、アラスカと温帯地方の如く場所が変われば変わるようです。

THEマクロビオティック(久司道夫,マガジンハウス,2005)」を読んでいると、「南方の人は南方にある物を食べよ。北方の人は北方の物を食べよ。」と書いてあるように見えるが、マクロビオティクスや陰陽学の考えも人間の心と体に置き換えると判りやすい気がしてきた。物質収支に心の動きを加えるともっと話が整理できると思う、ドーバミンが心と体をつなぐ絆であり、神経系の超高速ネットワークと相俟って人間が構成されている。

稙物で特にタンパク質含有量の多いものがあり、マメ科稙物である。微細藻でも同様にタンパク質の多いものがあり、藍藻と一部の微細藻である。これらの間の共通点は、窒素固定できる藍藻と、窒素固定できるバクテリアとの共生である。もう少し検討を続けようと思う。窒素固定とタンパク質が深く関わり、上述のドーバミンを含む有用物質を生産するとなれば、体の中で最大の臓器、腸の役割が判ってきたように思える。











(2012-1-30 Yoshi)