海の話しをしよう

海産珪藻の住む海の話しをしよう。話しの始めは海洋大循環である。


Yoshiのブログ

(環境省HPより

グリーンランド沖で海水が凍結するが、氷点の違いから凍るのは純水のみである。塩分濃度の高くなった海水は、比重が高くなり、海底に沈む。この図には出てこないが、このような所が、南極のウェデル海にもう1か所あり、これらが合わさった海底深層水が、東に移動、途中インド洋で一部湧昇流となり、残りはアメリカ西海岸で湧昇流となり、今度は表層を西へ移動する。(Stommel 1958年)

先のチリ沖のグアノはこの湧昇流の賜物である。

1958年にストンメルが言いだしたとてつもない仮説であるが、時進み、その実態が解明されつつある。昨今放射能と言うと恐ろしい物との思いが強いが、解明の手段は放射能である。米国の科学者達は1940年のGEOSECS(大洋断面の地球化学的研究計画)で海水の炭素14の試料を沢山の海域から採取しているが、炭素14の半減期から計測した海水の年齢分布がストンメルの仮説の正しさを証明している。

海水がグリーンランド沖で沈む時、栄養塩も濃縮されるが、深層水は、湧昇流となって海表面に到達するまでの間に、大量のマリンスノーを受け入れ、生物の生育に必要な栄養素を蓄積している筈だ。マリンスノーは生物の死骸である。クジラや海洋動物の死骸、微細藻の死骸、動物プランクトン、バクテリアの死骸もあるだろう。この中で、生物が期待するものは、窒素、リン、珪素、その他のミネラルだろう。

地球との関連で、生き物と関わりの多い元素は、クラーク数に現れる。地表の元素の百分比を並べたものがそれで、多い順に、酸素49.5,珪素(25.8),アルミニウム(7.56),(4.70),カルシウム(3.39),ナトリウム(2.63), カリウム(2.40),マグネシウム(1.93),水素(0.83),チタン(0.46),(0.19),マンガン(0.09),リン(0.08), 炭素(0.08),硫黄(0.06),窒素(0.03),フッ素(0.03),ルビジウム(0.03),バリウム(0.023),ジルコニウム(0.02),クロム,(0.02),ストロンチウム(0.02),バナジウム0.015),ニッケル(0.01),(0.01)である。

生命活動に必要不可欠の元素を必須元素(上記の紫色)というがこのうち生物体内で最も存在量の多い元素は、有機物の主要構成要素である水素、酸素、炭素、窒素、リン、硫黄の6つと、次いで海水中にも多量に存在するナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、塩素の5元素である。これに珪藻の殻の主成分である珪素およびを加えた合計13元素で、海洋生物の生体重量の99.9%を占める。

これらの原子群は多量元素と呼ばれるが、これに対して残りの0.1%に含まれるホウ素、フッ素、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ヒ素、セレン、モリブデン、スズ、ヨウ素14元素があり、微量元素と呼ばれている。(海と地球環境:日本海洋学会編集1990)

微量元素の中に、クラーク数に含まれていないホウ素、コバルト、亜鉛、ヒ素、セレン、モリブデン、スズ、ヨウ素は何処から来たのだろうか? ちなみに、水は地球誕生の時に生成し、海水の成分は過去6億年不変とされその組成は次の通りである。;

標準的海水1kg中に含まれる主要化学成分(g):

+イオン:ナトリウム(10.65), カリウム(0.38), マグネシウム(1.27),カルシウム(0.40),ストロンチウム(0.008),

-イオン:塩素(18.98),臭素(0.065),硫酸(2.65),重炭酸(0.14),ホウ酸(0.026)

同じく、太平洋海水中の微量元素の濃度(ng/kg)は、次の通り。;

クロム(270),マンガン(33),コバルト(3),ニッケル(150),(35),セレン(130),(0.2),タリウム(13),ウラン(3,100),


先のクラーク数の中で、多量に含まれていた珪素が海水中に含まれていないところが気になった。


ここまで来て、テトラセルミスを除く他の微細藻がうまく育たなかった原因の一つが珪素と鉄と考えるのが無理のない推論だと思えてきた。

Yoshiのつぶやき

最近、ヒッグス粒子が新聞を賑わした。ダークマターの話しもある。前者は素粒子分野、後者は宇宙空間において、これが存在しないと理屈が合わないとするものだが、海の中にも同じ様なことがある。大好きなレイチェル・カーソンの著書「われらをめぐる海」では、ヘイエルダールと5人の話しとして、「バルサ材の丸太で組んだイカダに乗って太平洋を渡った101昼夜の漂流の中で、小さなイカの大群が、水面から弾丸のように飛び出してきて海面をトビウオの様に飛んで行った。小さなイカは大きな魚に追いかけられていたのだが、追いかけていた魚クロタチカマスはこれまでガラバゴス諸島の海岸に打ち上げられた骨格でしか人間の目に触れたことはなかったものだった。」とか、

チャールズ・ダーウインの話しとして、南アメリカ沖で「暗夜、船は突然アザラシやペンギンの大群にかこまれてしまった。そしてかれらの発する奇妙な声のおびただしい騒々しさに、当直の士官たち、船が何かの間違いで海岸に近付いて、牛どもが吠えるのを聞いているのかと耳を疑った。」という。 どう考えても、このおびただしい数のアザラシを食べさせる魚が近くに居るとは思えない。アザラシやペンギンやマッコウクジラは、彼らだけが知っている餌場を深海のどこかに持っているに違いないというのである。

海のヒッグス粒子ダークマターは渦鞭毛藻やナンノクロロプシスを含む、ピコプランクトンではないかと考えるのである。先に微細藻は24,000種あると述べ、大量生産できるものは5種類とも述べた。珪藻に至っては1種類のみである。食物連鎖の主役たる微細藻を語るには我々はいかにも知識不足と言わざるを得ない。



Yoshiのブログ

熱帯・亞熱帯から温帯海域にかけての深海に広く分布する。中深層(水深200-1,000m)を主な生息範囲とし、海底からは離れた中層を遊泳して生息する。体長数十cmから2m近くに達する中・大型の魚類である。体は細長く、下顎が突出している。尾鰭を持つところが近縁のタチウオと異なっている。

2011-12-28 Yoshi