
上の図をもう一度見て欲しい。微細藻が水に浮かんでいる。周りに栄養を含んだ水がある。後は光と炭酸ガスが有ればよい。そうそうご本体の微細藻自体の性質も重要だ。
順を追って考えよう。;
光:水の中に多数の微細藻が浮遊している状態を考えると、一つの微細藻の上に微細藻があって遮光するのはよろしくない。周りから光、栄養素が入る、装置としての微細藻は外とを遮るものは薄い二重の膜だけ、これ以上の好環境はなく、数ミクロンと小さいから比表面積などこれ以上の好環境はない。木と草と微細藻との比較では圧倒的に微細藻が有利であろう。
反応:
CO2 + H2O → (CH2O) + O2
CO2 ;炭酸ガスを吹き込んで、木と草で到達し得ない高炭酸ガス濃度が達成できることが高い生産性をもたらすことは論を待たない。別の言い方では、木と草は大気中に350ppm含まれる炭酸ガスを利用している所、微細藻はいくらでも高濃度の炭酸ガスが供給できる。自然界で微細藻は、これも空気中から吸収された炭酸ガスを利用している。過去の時代空気中の炭酸ガスが5,000ppmを超えた場合は別にして、上限は10g/m2/日(SAJ INF 74)程度になるところ、およそ3倍の30g/m2/日となっている。
微細藻自体の性質:微細藻の中にも、生産性の高いもの低いものがあるのはなぜだろう。一番説得性のある結論は、生物学的多様性の中で自然に生まれた個体差であるということだ。
藍藻の発生から現在まで来た状況が物語る。現在残っていること自体藍藻が最も生産性が高いことの証明だと思う。
微細藻自体が実施した構造改革もある。原核植物が真核植物に変ったこと、光取り込みのための集光システム改造があるだろう。
遺伝:ネオモルガン社が唱える不均衡進化論とポリアミンの挙動が関心をそそる。;
不均衡進化論
熱力学では外部から与えられた熱(摂動)は系の分子に平等に配分されるが、突然変異を生物界における摂動と捉えると「変異は均等に起こる」という考えは間違っている。(古澤満ネオモルガンコラムより)とする理論が注目されています。この理論を微細藻に適用するのことに大変興味を持っています。
ポリアミン(木と草と微細藻と)
ポリアミンが細胞の増殖(Proliferation)に大きく関わっていることが知られている(Polyamines: metabolism and implication in human diseases, C.Moinard,2004 )。藍藻の生産性の高さをポリアミンと関係つけて調べたみたいと考えている。(2011-10-18 Yoshi)