抵当権が残る家の売却 | 念ずれば花ひらく「会社経営」

抵当権が残る家の売却

    住宅を売却したいのですが、数年前に完済した住宅ローンの抵当権の登記が残ったままなのが分かりました。売却できますか?
    
    
    
    
    住宅ローンの抵当権とは、住宅の取得資金として金融機関がお金を融資する際に住宅を担保に取るもので、金融機関は法務局の住宅の登記簿に抵当権設定の登記をします。
    
    抵当権は住宅ローンを完済すれば効力を失うので、法律上は消滅します。ただ自動的に登記が抹消されるわけではありません。住宅所有者が自ら法務局に抵当権抹消登記を申請する必要があります。
    
    通常は、住宅ローンの完済時点で、金融機関からローン契約当時の書類が住宅の所有者に返却され、同時に抵当権抹消登記のための必要書類が送付されることが多いようです。しかし書類を放置して、法務局に抵当権抹消登記の申請を怠ると、抵当権の登記はいつまでも残ります。
    
    抵当権の登記が残ったままで住宅を売却できるかどうかですが、法律的には可能です。しかし現実的には困難と言えるでしょう。
    
    住宅ローンを完済しているとしても、登記上は抵当権が残ったままだと表面的には担保に入っているからです。そうした住宅を買う立場からすれば、購入をためらうのではないでしょうか。住宅ローンを完済しているなら、まず抵当権を抹消した上で売却の手続きを進めるべきでしょう。
    
    今回のようなケースで抵当権を抹消するためには、完済当時に金融機関から送付された書類を探すか、抵当権抹消に必要な書類を再度、金融機関から送ってもらう必要があります。しかし必要書類の中には、破棄してしまった場合、再発行できないものもあります。その場合は便宜的な登記申請もできるので、詳しくは司法書士などの専門家に相談をして下さい。
    
    
    -抵当権抹消登記で必要な主な書類-
    ・抵当権抹消登記の申請書
    ・弁済証書(金融機関による完済証明)
    ・抵当権設定登記済証書
    ・金融機関の資格証明書(代表者の証明)
    ・登記申請委任状(金融機関によるもの)
    
    
    
    2012年(平成24年)4月3日(火曜日) 日本経済新聞(夕刊)より。