これから三年余り続くだろうか。
趣味とも、旅行とも言えるセカンドハウス通い。その始まりの日だった。
これから平均して年に十回ほど、この場所を訪れ、メンテナンスを重ねながら少しずつ手を加えていくことになるだろう。
まだ誰も住んでいないセカンドハウス。
今日は、この家が少しだけ未来へ近づいた一日だった。
前の持ち主が増築した納屋の解体工事が進み、長い年月を刻んできた建物が静かに姿を消していく。
その傍らで、私は芝生に伸びた雑草を一つひとつ刈り取り、整えた一角に妻が紫陽花を植えた。
納屋がなくなって現れた空間を眺めていると、「さて、この場所をどう活かそうか」と自然に考えている自分がいた。広すぎず狭すぎない、何かを始めたくなる絶妙な広さ。その瞬間、前の持ち主がここに納屋を建てた理由が少し分かった気がした。
風通しがよく、程よく日差しも遮られるこの場所なら、テーブルを置いてテラスとして過ごすのもいい。地面をそのまま生かしてバーベキューを楽しむのも良さそうだ。芝生をさらに広げ、花を植えれば、また違った表情を見せてくれるだろう。
未来を思い描く時間も、この家をつくっていく大切なひとときなのかもしれない。
この日も都内に比べ気温が4度ほど低かった...
そして冬は太平洋の海流の影響を受けさほど寒くはならず恵まれた地である...
ふと隣を見ると、ご主人が幅員約8メートルの広い道で愛車をゆったりと洗っていた。ほとんど車が通らないので気兼ねがない。洗車を終えると今度は庭の手入れを始め、お互いに声を掛け合いながら、たわいない話に花が咲いた。
まだ住み始めてもいないのに、ご夫婦とも私たちを温かく迎えてくださり、人柄を理解していただけたようで嬉しかった。
ちょうどその頃、外装工事を担当する業者の方が到着し、外壁について打ち合わせを行った。
家は完成した瞬間から家になるのではない。
人との出会いがあり、自ら手を動かし、未来を思い描きながら少しずつ手を掛けていく。その積み重ねが、建物を「家」へ、そして土地を「帰りたくなる場所」へと変えていく。
今日という一日は、その物語の静かな第一章だった。
では良い1日を...
