井津建郎氏は、私が尊敬する写真家です。

NYを拠点に、世界の石像遺跡を撮影している写真家として有名な井津氏は、プラチナプリントの制作者としても有名です。
また、カンボジアの恵まれない子供達のために、病院を作ってしまった日本人写真家として、世界的に有名な方です。


我が家の玄関に飾っている井津建郎氏のプラチナプリント


カンボジアのアンコール・ワットを撮影中、地雷で手足を失った子どもたちを目の当たりにして、病院建設を決意します。
NGO「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー(国境なき友人)」を創設、99年に「アンコール小児病院」を開院しました。

清里フォトミュージアムで、彼のプラチナプリントを観て、その作品の素晴らしさに感激、病院建設のチャリティーとして作品を購入させてもらいました。

プラチナプリント特有の色味と快調、大判ネガからの細部までも刻銘に再現された、完璧なプリントです。12世紀から続くアンコールワット寺院の時の流れと写真家の情熱が伝わる作品です。


プラチナプリントはゼラチンシルバープリントと異なり引き伸ばし機ではプリントできないため、ベタ焼き、つまりフィルムの大きさがプリントサイズになります。そのため、100kgにおよぶ大型14x20インチカメラ(36x51cmのフィルムを使う)で撮影されています。

私は、8x10インチのカメラを使っていますが、そのサイズのカメラでも、アウトドアでの撮影はたいへんです。頑丈な三脚を使っていてもブレやすいし、光カブリしないようにフィルムをセットする時には神経を使います。それよりもはるかに大きく重たいカメラでの撮影の苦労が想像できます。

ネットで見られる井津建郎氏の作品