餌の確保です。

えっ? 冬眠中に餌?と思われたかも知れません。
ニホントカゲは冬眠しましたが、なんとカナヘビは暖かいからか冬眠しなかった
のです。


恐竜と暮らす

あと考えられるのはヨーロッパイエコオロギに原因不明の奇病が流行ったせいで
秋に十分な餌の確保ができず、冬眠に入るには準備不足だったのかも知れません

これはコオロギ麻痺ウイルスが原因ではないかと言われています。多くの小売店
でコオロギが品切れになり、大手のコオロギ問屋さんが廃業になるほどの事態で
した。
コオロギが成長途中でみな痙攣を起こして死んでしまうのです。
感染した個体が次々と死んでしまう上に次の世代も生まれず国内中壊滅的な状況
でした。


うちではコオロギの養殖体制を確立できておらず、これは大打撃でした。毎週末
になると野原にトカゲ達の餌を探しに行きましたが、餌になりそうなのは滅多に
出会えず…。いたとしてもヒシバッタ・シバスズ・マダラスズ・シジミ蝶くらい

週末にエサ取りに行ってもその日のうちに食べ尽くしてしまう程度の量です。
秋なので生き残っている虫はほとんどいない状態でした。エンマコオロギはいま
したが、大きくてトカゲの口には入りません。
そんな状態だったからカナヘビは冬眠しなかったのかも知れません。
さて、そんなカナヘビがいるとどうしてもエサが必要になります。
ニホントカゲも暖かい日にはひょいと目をさましてしまうかも知れません。

常にエサを欠かさないよう苦労しました。

週末にエサを取りに野原を歩き回り、ペットショップにヨーロッパイエコオロギ
の入荷がないか訪ねて回る…。
コオロギの養殖・繁殖にもチャレンジしました。
その話はまたの機会にしますが、なんとか餓死させることなくエサを供給しまし
た。
いや~、本当にしんどかったです。これが自然に虫が豊富な春夏ならコオロギが
買えなくなった時点できっとトカゲ達はもといた場所に逃がしてきたでしょうね

さて餌は確保できました。
お次は?


そうそう湿度管理です。これは衛生管理にもつながりますが、カビを防ぐためには濡らしすぎてはいけないし、乾燥しすぎてもいけません。
自然界でも雨は降りますが、トカゲは雨の振り込む所には冬眠しないでしょう。

とりあえず水槽全体に水を蒔くのはリスクが大きいと考えたので、水入れ(レプティボウル)の水が常に切れないようにしました。
またヘデラ(アイビー)を入れて植物に水をあげる程度に水を入れました。
これでほぼ快適な湿度が保たれたようです。
水入れや植物から気化する水蒸気と、たまに水槽の一部に行う水やりでうまく行きました。


恐竜と暮らす-レプティボウルとニホントカゲ

さて、お次の課題は??

ニホントカゲの冬眠方法ですが、いくつかの課題がありました。
それをひとつひとつクリアしていくことが越冬の成功につながったと思います。
貴重な命を無謀な実験台にするわけにはいかず、トカゲの元気な姿をまた春に見るためにまずは課題の洗い出しから行いました。

大きく考えて、
■温度管理
■湿度管理
■餌の確保
■水の確保
■衛生管理
が必要だと考えました。


まずは温度管理。限られた空間で快適に冬眠するには何度が良いのか。トカゲ君に聞けたら良いのですが、返事はしてくれません。
あなたならどうしますか?


私は、『わからないならいろんな温度を作ろう』と考えました。
気に入ったところを自分で探して寝るだろうと思ったのです。

具体的には…。

まず60cm水槽の下に40cmのパネルヒーターを敷きます。
全面に敷かないのがミソです。
こちらは必ずサーモスタッドが付いていて温度管理ができるものを使用します。
更に省エネのためアルミシートを一番下に敷いています。こちらは水槽下全面に敷きます。

この商品はホットカーペットの下に敷くもので秋以降にホームセンターなどで売られています。

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これで無駄な放熱を防ぎます。
底床は黒土をメインに消臭効果の高い木炭をブレンドして作りました。
これを図のように傾斜をつけて配置します。
その上から落ち葉を乗せてあげます。
黒土も木炭も落ち葉もダニ対策のため電子レンジでチンしてから使用することをお勧めします。
黒土はそこらから拾うのではなく園芸用のものを購入しましょう。

ホームセンターなどで安く買うことができます。

ホームセンターまで出かけるのがめんどうな方はこちら でもよいと思います。

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さて、傾斜をつけることでどうなったでしょうか。
底床の薄いところは床からの熱が地面に伝わりやすく、地表温度が高めになるまで上昇しますが、底床の厚い所は伝わりにくいので温度がそれほどまであがりません。
また、落ち葉が断熱材になるので表土からの放熱は少なくなっています。落ち葉の保温効果のおかげで急激な温度変化を防ぐこともできます。
図でみると一番右が底床が厚く、パネルヒーターが下にないので一番温度が低くなります。左に行けば行くほど底床は薄くなり、パネルヒーターがあるので温度は高くなります。


恐竜と暮らす-水槽イメージ


そこでニホントカゲ君は好きな温度のところで過ごすことができるのです。
これで温度管理はバッチリ!

さて、あとどんな課題がありましたっけ?