新潮文庫の100冊(2024年)
毎年、夏になると新潮社から「新潮文庫の100冊」という小冊子が発行される。
今年も出たので、早速、入手した。
ざっと目を通してみて、「読みたいな」と思ったのは、以下の本である。
○痴人の愛(谷崎潤一郎)
主人公が見いだして育てた美少女ナオミは、成熟するにつれて妖艶さを増し、ついに彼はその愛欲の虜になって・・・。文壇を騒然とさせた耽美的名作。
○ひとり暮らし(谷川俊太郎)
どうせなら陽気に老いたい----。暮らしのなかで、ふと思いを馳せる父と母、恋の味わい。詩人のありのままの日常を綴ったユーモラスな名エッセイ。
○シャーロック・ホームズの冒険(コナン・ドイル)
ロンドンに起きる奇怪な事件を追って神出鬼没する名探偵シャーロック・ホームズの推理が冴える第一短編集。「赤髪組合」など10編。
○若きウエルテルの悩み(ゲーテ)
ゲーテ自身の絶望的な恋の体験を作品化した書簡体小説。許婚者のいる美貌の女性ロッテを恋したウエルテルの苦悩と煩悶を描く古典的名作。
○BUTTER(柚木麻子)
男の金と命を次々に狙い、逮捕された梶井真奈子。週刊誌記者の里佳は、面会の度、欲望に忠実な彼女の言動に翻弄される。各紙絶賛の社会派長編。
○老人と海(ヘミングウェイ)
老漁師は、ひとり小舟で海に出た。自然の神秘と無情さに翻弄されながらも、決して希望を捨てない人間の強さを描き切る永遠の傑作。
(コメント)
読書の楽しみは、個々の本を読んで楽しむことにあるが、それだからこそ、どの本を読むかという問題がある。人生に許された時間は有限である。貴重な時間を投じるに値する本を如何に探すか、それが重要だ。
だから、私は、新聞・雑誌の書評とか、いわゆる読書本に関心がある。「新潮文庫の100冊」のような本も、私にとっては得がたい本の紹介本である。