本とコーヒー

 

昨日、「ゴジラ-1.0」を見に二子玉川に行ったのであるが、映画が始まるまで3時間あったので、映画館(4F)の階下のツタヤ家電店という本屋に入った。映画が始まるまでの時間つぶしのつもりであったが、中に入ってみてびっくりした。ここの本屋は普通ではないのだ。

 

まず、とにかく売場面積が広い。ゆったりとしたスペースに本が並べてあるのだが、それがおしゃれで魅力的なのである。

 

平積み以外は本の背表紙が棚にびっしり詰まっているのが普通の本屋であるが、ここのツタヤは、表紙が見えるように棚に斜めに置いてある本がかなりある。もちろんその下には、縦置きの背表紙の並んだ棚もあるのだが、そのバランスが絶妙である。

 

新刊の話題小説やミステリー本もあるが、三島由紀夫とか宮本輝とかの一連の著作もちゃんとある。漱石も揃っている。上のフロアの売場に行けば、フランスのおしゃれな写真中心の本とか普通には気がつかないエッセイ本などが置いてある。

 

何よりも気に入ったのは、喫茶スペースが店内にあることである。店内のスターバックスでコーヒーが買え、それを本の棚と棚の間の広いスペースにおいてあるテーブルと椅子で味わえるのである。照明も明るい。

 

私が言ったときも、このツタヤで買った、直木賞を取ったばかりの川崎秋子の「ともぐい」を読みながら、コーヒーを飲んでいる青年がいた。

 

本屋でコーヒーを飲むとなると、こぼして売り物の本が汚れるのではないかと心配になるが、その点は大丈夫だ、とにかくスペースが広い店内に余裕をもってテーブルが置いてあるし、コーヒーを置く場所はテーブルで少し丸形にくぼんでいて、カップが倒れることのないように配慮されている。

 

私も、買ったばかりの、原田ひ香の「古本食堂」を読みながらコーヒーを飲んだ。

 

映画が始まるまでの時間つぶしで入ったツタヤであったが、すっかり魅せられてしまって、これなら本とコーヒーのために、またバスに乗って二子玉川まで来ようと思った。