夫の義理の姉(一番上の兄さんの奥さん)のことが、私は大好きだ。

 

私は、結婚してから7年間近く、夫の実家の手伝いで、月に10日間ほどひとりで泊まり込みで働いていた。

私はできの悪い義妹で、遅くまで寝ていたし、とてもわがままだったと思う。

 

 

しかし、義兄も義姉も、私を年の離れた実の妹のように扱ってくれ、わがままを責めもせず、とても可愛がってくれた。

 

 

オトコばかり4人兄弟の長男の嫁として、家業の医者の奥さんとして、さぞかし大変な毎日だったと思うが、いつも優しい気持ちを持ち続けている義姉。共に年齢を重ねれば重ねるほど、義姉のすごさや優しさを改めて感じるようになった。

 

夫が病気で倒れた時も、真っ先に埼玉まで駆けつけてくれて、夫の横で静かに涙を流していた優しい義姉。

私は、

「お姉さん、泣かないでください。(夫は、姉さんに)泣かれると、自分の状態が悪いと思ってしまうから。これからドンドンよくなりますから」

と、全く可愛げのない対応をしたことをよく憶えている。

義姉と私の性格の違いがよくわかるエピソードだ。

 

 

 

コロナのせいで、兵庫県の実家に帰省できない日が続いている。

去年から、今までのせめてもの罪滅ぼしにと、せっせと花やら静岡の名産を送ることにしている。

 

 

昨日も、なかじま園のイチゴが到着したと電話がかかってきた。

 

 

電話では、お互いの近況を話すので、長電話になる。

普段は長電話がとても苦手な私だが、義姉との電話は別だ。

義姉は生まれつき純粋な人なのだな、と思う。話していて飽きない。

 

教育者の家庭に育った義姉は、絵画のこと、本のことなど造詣が深く、今でも毎日読書を続けていると言う。

ゴッホのことをさらりと話せる親類なんて、なかなかいないから、それも楽しい。

 

 

さて、先日の職場の面談で、もう少し働くことになった。こんなポンコツでもまだ必要とされているらしい、と知りうれしかった。

義姉に、

「もう少し働くことになりました。老後の資金を貯めるようにがんばりますね」 

と冗談ぽく伝えると、

 「それは、優秀だからやで。でも、お金もいいけど、身体も大切にしてね。無理したらあかんで」 

と返事が返ってきた。

 

私を買いかぶってくれたうえ、心から心配してくれる言葉がとてもうれしく、心が温かい物で満たされていった。

 

昔から我が家のことをよく知っていて、無条件に私を甘やかしてくれ、夫が倒れてからの私の苦労(自分では自覚がないが)を知ってくれていて、それをねぎらってくれ、それを言葉に出してくれる人は他にいないから。

 

 

 

遠くにいても、お互いに温かく懐かしい気持ちを持てる人がいることの、なんと豊かなことか。

 

 

 

母の施設の前の田んぼでは今、レンゲ草が満開だ。

 

 

素朴で、控えめで、優しいレンゲ草。

義兄や義姉との思い出に似ている。