これまたDVDのジャケットが良い感じでレンタルして観てしまったんですが、何やらオランダで製作されたSF映画らしく、キャストも全然知らない人たちです。
しかし、実際観たらこれがなんと言うか爽やかにおもしろいんです。
爽やかにおもしろいってなんだ?となりますが、後味良いラストなんですね。
『キャプテン・ノバ』(2021年 監督:モーリス・トルーボルスト 出演:キカ・バン・デ・ビーバー、マルアン・メフタ 他)
【あらすじ】──2050年の地球は気候変動により荒廃し、ほとんどの生物が死滅していた。
戦闘機操縦士のノバは、地球環境の崩壊の原因となった北極での開発を阻止するべく、2025年の地球にタイムトラベルを行う。
時間を遡ったことによる副作用で12歳の少女の姿となったノバは、不時着した森で出会った少年・ナスと協力し、奔走する。──
☆ジュブナイル要素が微笑ましいSF作品
はっきり言ってツッコミどころやご都合な展開もあります。
時間を遡った分、若くなるというところは、そりゃないだろ!と思ってしまいます。
それを言い出したら過去にタイムトラベルすること自体、非現実的ですが。
過去や未来に行くことが理論的に可能か、実際に研究している人たちはいるんでしょうけど、本当にメカニズムが解明されたら、もしかしたら若返るがどうかもメカニズムとして解明されるかも知れませんね。
因みに逆に未来に行ったとしたら、時間の流れに対して自分は歳をとっていないので、相対的には若いと言うことになります。
光速度に近い速度で移動することによって自分自身に時間の遅れが生じ、たどり着いた先は未来という考え方になります。
しかし過去に行くとなるといよいよ理論的に難しそうです。
本作では過去に行くために光速度で宇宙に飛ぶシーンがありますが、どうなってるんだと不思議に思います。
それでいてロマンです。
そんなタイムトラベルを行い、未来の地球を救おうというのを、見た目は子どもで頭脳は大人の主人公がやるわけです。
その彼女を森の中で助けた少年も協力することになるジュブナイル作品です。
こういう作品なものだからツッコミどころも目をつむって観ることができます。
二人が乗っている車が故障したところを助けてくれる大人も、めちゃいい人で協力的です。
助けた少年がニュースで流れている失踪中の少年であること、少女の方は軍が捜索中の少女であることを知っても二人を匿う夫婦。
そこが都合良すぎなんですが、微笑ましいので良しとしましょう。
★ややターミネーターっぽいストーリー
本作の概要は、未来の地球環境を破壊してしまう開発を過去に戻って阻止するというものです。
主人公のノバは2050年に仲間とともに計画し、北極の氷に穴を空けて資源採掘をしようとする開発者本人にコンタクトを取るべく2025年にタイムトラベルを行うのですが、仲間の1人は実はこの北極の開発者本人です。
開発者が自らの過ちを正すために、過去の時分に向けたホログラムのメッセージを送ります。
『ターミネーター2』でジョン・コナーがターミネーターT800に向かって誰の命令で来たのかと質問したのに対し、T800が「君の命令だ」と答えるシーンを思い出してしまいます。
しかも、とある開発がきっかけで思わぬ方向に暴走した状態が世界の破滅につながるというところも似ています。
『ターミネーター』ではスカイネットという高度な人工知能を開発したために起きる災害を描いていますね。
そしてこういった、過去に戻って未来を変えようとする作品はやはりどうしてもツッコミどころが生じます。
今、仲間のうちの誰かが過去に戻って環境破壊の原因となる開発を止めたところで、今の時間にいる残りの仲間たちの目の前で突然、環境が元通りになるなど想像できません。
こういうツッコミどころはやはり『ターミネーター』シリーズでもありますが、タイムトラベルを描いた作品はやはりどれもそうだと思います。
やはり本作はそういうおかしさには目をつむりながら観る、むしろそういうおかしさを楽しみながら観るのが良いですね。
──それにしても案外一番の見所は、相手の時間を遅れさせるというこの特殊な銃かもしれません。
ドラえもんの道具っぽさがグッドです!