【前回までのあらすじ】


 真の実力を知らしめるために!ファミコンへの愛情を証明するために!世紀の一大イベント「ファミ詣」のファミコン大会にエントリーしたアレックさん。
 そこに待ち構えていた一次予選のテーマは、なんと偶然にもアレックさんが最も得意とする「スーパーマリオ ハイスピードクリア」だった!
 まさかの展開に笑いのとまらないアレックさんは 危なげなく好タイムを記録。幸先の良いスタートを切ったが・・・・・・果たして !?

(1/29付ブログ・第1話 『切り札。 』参照)


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[ 第2話 ]


 一次予選通過者の発表が始まった。全参加人数はおよそ80名。それが この一次予選で一気に半分に絞られる。
 だからと言って、アレックさんがここで落ちることは まず考えられない。案の定、アレックさんのエントリーNo.43が早々にコールされた。ま、こんなもんでしょ。へっへへ。


 ちなみにこの一次予選・スーパーマリオの脱落者は、タイムアタックを意識しすぎて慌ててしまったのか、ステージの途中で死んでしまって失格した人がほとんどらしい。だから死なずにゴールに辿りつけさえすれば、一次予選はほぼ通過できたのだ。


 オイオイ、なんだその低いレベルの争いは? ファミコン大会 ナメてんじゃねーのか、あ~ん !? アレックさんぐらいの高い水準で勝負できねえのか オラエーッ!


 完全に調子に乗りだしたアレックさん。
 しかし アレックさんよ、冷静になって考えてみたまえ。史上最強の切り札を一発目でいきなり使ってしまったんだぞ 。今後のことを思えば決して手放しでは喜べない状況にあることは明白だ。目を覚ませ アレックさん!



 そんなとき、DJの口から 続く二次予選、さらに三次予選の内容までが突如発表された。ジャジャーン!
 「二次予選は、ボンバーマン2で対戦勝ち残り勝負ーっ! そして三次予選は、スペランカー3分間のハイスコア勝負ーっ!」


 うをっ!一気に来た!き、気持ちの整理がっ・・・。えーっと・・・あたふたあたふた・・・・・・。
 と、とにかく いまの発表内容の中に、ものすごく刺激的な言葉がひとつ入ってたな。オレの耳は確かに聞いたぞ。それはズバリ・・・・・・スペランカ~~ッ !!


 スーパーマリオにつづいて なんとスペランカー!オレの大好きな伝説の名作・スペランカー!
 完全にアレックさんに追い風が吹いている!予選内容考えてる人って もしかしたらオレの友達なんじゃねーの?って疑ってしまうぐらいにオレの守備範囲ドンピシャ!カーッカッカッカッ !! シャーッシャッシャッシャッ !!


 ・・・・・・ただし!
 その前には厄介な障害が。それは二次予選のボンバーマン2。ぶっちゃけ ボンバーマンの対戦は、アレックさん的には決して得意ではない。


 もちろんプレイしたことは過去に何度でもある。よく奈良のジモティーたちと対戦した。しかし 対戦成績はいつもドッコイドッコイ。ブロックの配置やアイテムの出現がランダムなため、成績は必ずしも一定しないのだ。
 うまい人でも負けるときは負けるし、ヘタな人でも勝つときは勝つ。つまり対戦ボンバーマンは、「誰がやっても それなりの勝負が成立してしまう恐ろしいゲーム」なのである。
 ひぃぃぃ~! こればっかりは さすがのアレックさんも足元をすくわれかねない!


 ・・・・・・しかーし!
 アレックさんがここで脱落するわけにはいかねえのよ。なぜなら いまアレックさんの目の前には・・・・・・スペランカーという名のうまそうなニンジンが これ見よがしにぶら下がっているのだから!オレの大好きなスペランカーちゃんをプレイしないまま脱落するわけにはいかないのだー!うがーっ!


 いつしか本気モードへと変貌したアレックさん。スーパーマリオ終了時にブッこいていた余裕は もはや見当たらない。
 そして いよいよ二次予選が始まらんとしていた・・・・・・! 

(つづく)