(2012-02-17 16:58:07 の記事)

昨日までに、「アレフ洗脳被害相談救済窓口」にご相談くださった、Eさん(20代女性)との、以下のメールのやりとりをご紹介しました。

>>一通目 「アレフに入信して苦しくてどうしようもない。死ぬことも考える。助けてください」 ①

>>二通目以降 「アレフに入信して苦しくてどうしようもない。死ぬことも考える。助けてください」 ②


 たいへん深刻で急を要するご相談だったので、その後、名古屋支部の山口 が、5~6回ほど、1回の電話で3時間くらいお話しして対応させていただいたところ、Eさんは2ヶ月後に、無事アレフを脱会することができました。
 脱会後も苦しんでいらっしゃいましたが、現在は、心も落ち着き前向きになったとお聞きして、ほんとうによかったです。

 以下、二ヶ月で、彼女が具体的にどのようにして抜け出すことができたのか、以下、山口の文章でご紹介します。


■最初のEさんの状況 「アレフの信仰を始めて、自分がどんどん暗くなっていった」


 私はEさんと、5~6回電話で話をしました。1回の電話で3時間くらい話しました。
 彼女は、アレフ脱会はしましたが、まだ、完璧にアレフの洗脳から抜けきれていなくて苦しんでいるところがあったので、しばらく間は空きましたが、それ以降も、ときどき電話で話していました。

 彼女が一番始めにひかりの輪に連絡を取ってきたときは、

「アレフの信仰を始めて自分がどんどん暗くなっていき、死にたくないのに自殺を考えるようになった」

という状態でした。

 そういう状態でしたから、アレフを辞めたいと思っているのに、辞めたくてもアレフの教義でものを考えてしまい(洗脳)、「辞めたら三悪趣(地獄・餓鬼・動物)という苦しみの世界に輪廻転生してしまう」という恐怖によって、辞めることもできないという状態でした。

 まず、なぜ彼女が暗くなっていったかということを、この方がくださったメールから抜粋します。

「’カルマ落とし’がこわくて、『ああなったら、こうなったらどうしよう』とか、
 『楽しんでたらだめなんだ、苦しまなければいけないんだ』
 と精神的にちぢこまっていきました。
 『綺語を話してはいけない、現世遮断だ』と思い、
 会社の人とも話さないようにしました。


 道場ではだれも笑わないので、『修行者は笑ってはだめなんだ』と思い、
 あまり笑わなくなりました。

 (ウソをついてる後ろめたさや、三悪趣えの不安や、
 「みんなにオウムとばれたらどうなるのか」との不安や、
  カルマ落としの恐怖で、心が暗くなっていたのもあると思います)
 綺語やテレビや食欲や恋愛の話をしている会社の人とは、
 話すことがなくなりました。」(最初のメール)


「人とかかわるのが大好きで、笑顔で生きていた自分が、
 人が嫌いになり、笑顔がなくなりました。


 盲信と、『一日1回の食事が聖者の食事である』という教えで体重も激減し、

 笑えず、別人のようになりました。
 自分が自分じゃないように本当に暗くなり、
 アレフの人に、『精神的に苦しい』と相談しても、


 『真理に巡り合い、サットヴァの光に照らされて、あなたの本質が出たんだ、
  あなたの本質は暗かった』と言われ、

 『自分って暗くてこんなにも汚い人間だったんだ』
 と、もう最低な精神状態でした。

 教義や戒律が頭に入っていて、いちいち照らし合わせたりして、
 自分を表現できなくなりました。」

 (後日のメールから)


■辞めたくても辞めることができなかった理由


 また、ご家族にアレフをやっていることがわかってしまい、反対されたときのことをこのように書いています。

 「皆、猛烈に反対し、どんなに危険な団体か説得されました。
  しかし私は、“事件ははめられたもの”といわれていたし、
 
 『そんなことは関係なく教えが素晴らしいのだから問題ないはず、

  ここをやめたら三悪趣やし私の輪廻はどうなるんだ』と思い、
  やめたくありませんでした。

 (私は鈍感で神秘体験はまったくありませんでした。
  そもそも修行の経験や教えの実践で、自分が変化したとか、
  徳のエネルギーなどの
確信があったわけではなく、
  書籍や説法を読んで、自分が自分で勝手に追い込まれていって、

  「やりたいやりたくない」とかではなく、
  「やめられない」ということだけでやっていました。)」


 「辞めると嘘をついて、隠れて続けようとしたのですが、
  ついたウソがばれ修羅場になりました。

 「やめる」と言いつつ、アレフの方と連絡を取り、ひそかに続けることにしました。
 (やめるにやめれず、やるときめたのは私です。
 「辞めたと思われたくない」というアレフの中でのプライドがあったのか、
 「今まで時間とお金をかけてがんばったしもったいない」
 という気持ちもありました。)」


 「 このまま続けれる気はしませんが、
  辞めてもどうすればいいのかわからないし、

  変なプライドからか、やめるというのが嫌で、
  ずるずるなんとなく生きていま す。


 (「この人たちはグルに済度され、いい転生していくんだろうけど、私は悪趣だろうし」

 と嫉妬心や卑屈や嫌悪や、
 「入信しなければ、こんな今じゃなかっ たはずなのに」
  という恨みのような感情も出てきます。)

  選んだのは自分なのですが、どうにもこの感情が止まりません。」


 電話でも、Eさんは上記と同様のことをお話されていました。


■「麻原に救済されなければ、三悪趣に落ちてしまう。だから辞められない」

 Eさんが、辞めたくても辞めることのできない、一番大きな理由は、「輪廻転生」のことでした。
 
「麻原に救済されなければ、三悪趣に落ちてしまう。だから辞められない」ということでした。

 そのことに対して、私は以下の3つのポイントから話しました。

 輪廻転生は、あるかないかわからないということ。
   100%あるという証明はできない。
   だから絶対に転生して悪い世界に落ちていくということも100%のことではない。

 輪廻転生があるということを前提にした場合
  仏教での輪廻転生の仕組みはどうなっているのかを話しました。

  具体的には、釈迦牟尼が前生において地獄から脱却した話と、『蜘蛛の糸』の話をして、
  自分のことしか考えない自己中心の心が悪趣に生まれ変わらせ、
  その反対に、自分のことばかりでなく他のことも考えるという利他・慈悲の心が、よい転生をするということ。
  「麻原に頼らなければよい転生ができない」ということはない、ということなどを話しました。

 「麻原が、よい転生をさせることができる」ということは事実なのか?
  「何をもって、麻原にそういう力があると言えるのか」ということ。

  麻原がそのような力をもっているということを、万人が納得する証明は存在しない。
  それはアレフでの信仰であって、事実ではない。

  彼らはそう思っている(あるいは思いたい)だけであり、アレフの解釈であって事実ではない。
  麻原が、もし「絶対的神秘的力」を持っているなら、なぜ、今現在のような惨めな状態に彼はいるのか?
  今の彼の状態から、普通に当たり前に考えて、
  それほどの力があるとは思えないのではないか?などと話しました。

  また、本当に絶対的神秘的力があったら、捕まることもなかっただろうし、
  刑務所から出てくることもできるだろうし、
  超常的力を多くの人に見せて、自分が神のような存在であることを示し、
  信仰させることもできるのではないか?
  しかし、それをやってないということは、そういう力がないということではないか?

 などという主旨の話をしました。

 もちろん、1回話ただけで、Eさんが上記のことを納得したわけではありません。

 彼女は、私にそう言われれば、「そうか」と思うのですが、やはり洗脳されているアレフのものの考え方をしてしまっていました   (脱会後も、まだ洗脳の残りはありましたが、輪廻転生のことではかなり脱却できている)。 
 しかし、それは、はまり込んでいるため仕方のないことで、その後、何回か、同様の話をしました。

 続く