(2012/06/10 18:13 の記事)

前回、オウムの上層部に、
精神的な疾患が発症している現実をお伝えしました。

>>【アレフ修行の危険性⑤】アレフの密教修行の心身の健康を損ねる恐れ
②オウムの上層部に、精神的な疾患が発症している現実


麻原自身をはじめとして麻原の子女や、正大師、正悟師と呼ばれた
最高幹部の、悲惨な現状です。
これらの事態は、麻原が語っていたこととは正反対の現実です。

こうした、精神の病や、人格破壊にいたる背景には、麻原を「グル」と規定して、
麻原のことを徹底的に意識し続け、観想(イメージ)し続けるという、
麻原が編み出した、オウム独特の修行がその一因となっている
と考えられるのではないかと思うのです。

結果、その対象、つまり麻原の現在の状況と同じ状態になってしまうのではないか、
という危険性です。

そのことについて、宗形真紀子が著書
『二十歳からの20年間――“オウムの青春”の魔境を超えて』
述べていますので、抜粋してご紹介します。

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麻原は、高度な「秘儀瞑想」と称し、麻原と心身ともども合一するイメージを
培う瞑想ばかりを作り上げていました。
そのため、わたしはこういった瞑想の中のいくつかを、麻原の言うとおりに
500回~1000回以上もの回数行なったのです。

しかし、わたしは事件後、麻原の作り出したそれらの瞑想が、悟りに導く瞑想
などではないだけではなく、本当に人間の人格を破壊し、
ともすれば統合失調症や廃人に導くものだ
という想像以上の悲惨な事実を理解するようになりました。

わたしは、事件後、麻原自身が不規則発言を始めて以降、
あのような状態になっていることを筆頭に、
オウムの中でも、麻原に次ぐレベルとされていた高弟をはじめとする何人かが
統合失調症などの状態になってしまうのを見聞きしてきました。
例えば、麻原の子どもを産んだ女性たちや、麻原の子女の中にもいました。

そういった症状になった人たちの中には、
麻原が自分を支配し乗っ取ろうとしているとか、
麻原がすべてを監視しているとか、麻原が自分を邪魔しようとするとか、
麻原が自分の中に入ってくるとか、麻原が話しかけてきて指示を出すとか、
睡眠中に麻原が入り込んでくるから眠りたくないとか、
麻原がそばについているとか、自分が麻原になったり自分になったりするとか、
麻原なのか自分なのかわからなくなるとか、
麻原と自分が合一するのが視覚的に見えたり、声として聞こえたり、
見えなくてもそういう感覚を感じたりするといった
「症状」を聞いたことがあります。

よくよく考えてみると、これらの内容は、麻原の説いた中核の教えである

「自己を空っぽにし、空っぽになった器に、
なみなみとグルのデータを入れ、グルのクローン化をする」

というものと、
「グルと合一する」
というものの現象化と思えた
のです。

わたしもオウム信者たちも、
麻原のデータ・エネルギーがたくさん入ってくるようにと、
脳波から、視覚から、聴覚から、
眠っている時間さえもテープをかけて、
何百回、何千回と、
相当な集中力で麻原のデータを入れ続けていました。