最後の基礎研修プログラム。
架空の企業の現行業務から課題点とその原因、解決策を考えて、システムによってそれを実現する提案をする。
準備段階として説明用のパワーポイントを作成し、本番はそのパワーポイントをつかってご説明する。


ご説明差し上げるのは企画課長、技術課長、取締役の3名。
企画課長は現行業務の課題・原因・解決策と、それを実現するシステムの導入効果を知りたがっている。
技術課長は、システムを実現する技術要素を知りたがっている。
取締役は、システム導入によって経営の観点から見て得られるものを知りたがっている。


三名が知りたいことは三者三様であり、それぞれが求めるものをご説明しなければならない。
当たり前だと言われそうだが、これがなかなか難しいものだ。
システムの全体図を作った後に、それぞれの興味ある部分を相手によってアレンジしなければならない。


要は、お客様目線に立って考えなければならないと言うことだろう。
ご説明のときに質問が来たならば、何故その人はそのような質問をしたのか考えてみる。
どういうことを望んでいるのか、どういう意図で質問したかなどを考えて、相手の望む答えを返す。
この場合の「相手の望む答え」とは、相手に媚びへつらえという意味ではない。
質問の裏にある、不安や心配事を払拭してあげられるかや、相手の関心事に絡めて返答すると言うことだと思う。


今回、システムの提案をするという事を実践する研修であったが、つくづく思ったのは、システム化は目的ではなく手段だと言うことだ。
相手のお客様は「売上高○○円以上」を目標に掲げています。
それにはこういったシステムを導入することで目標達成をご支援できますよ、と言った具合に。


そりゃそうだ。
別にお客様はシステムが欲しいんじゃない、目標を達成する方法が欲しいわけだものね。
その一つのやり方としてシステムを提案しますよ、ということに過ぎないのだから。
お客様目線に立つことの重要性を、コレでもかと言うほど学んだ4日間であった。


4日間本当に色々あった。
慣れないプレゼンで言いたいこともうまく言えず、相手にご納得いただけないのが口惜しい時もあった。
自分のコミュニケーション能力の低さを呪いたくなる時もあった。
こちらの考えと相手の考えの違いに往生したプレゼンもあった。
どうにもよくわからない課題をいただいて往生して同期や同じグループの人間に聞いたりもした。
初日からいきなりマイナス評価なことをしでかして、一時はどうなるかとも思ったが、本当にいい経験をさせてもらったと思う。


ハッキリ言って至らない点があまりにも多く、改善していかなければならない事が山積みではある。
が、多くの気付きを与えてくれた4日間であった。