時代は流れ、人は年を取る。
赤子は少年少女を経て大人へと成長し、肉体の全盛期を謳歌した後、心身ともに老いていき、やがて命を全うしていく。


人が宇宙に行き、自動で動くロボットを作るだけの科学力や技術力を身につけた現代においても、人は「老い」と「死」という生物の絶対の真理を乗り越えることは出来ていない。

生き物である以上、死とは絶対に逃れられぬ真実ですが、やはり知っている人が死ぬのは悲しいもの。
それが早過ぎたり、突然であったりすれば、その悲しみや喪失感はより一層増すものだと思います。



8月6日、一人の声優が肺がんのために亡くなられました。
鈴置洋孝、享年56歳。


彼の主な出演作は以下の通りである。

ドラゴンボール(天津飯)
機動戦士ガンダム(ブライト・ノア)
るろうに剣心(斉藤一)
セイント星也(ドラゴン紫龍)
らんま1/2(久能帯刀)
OVA版ジョジョの奇妙な冒険(花京院典明)
キャプテン翼(日向小次郎)



これを読んで下さっている方のなかでも、
「ああ、あの声の人か。」
とご納得下される方もいらっしゃるのではないかと思います。



あの低く、凛々しき声で多くの名作を支えた名優の死。
あまりにも早く、突然すぎる死。
ボクはとにかく今、驚き呆然としている。

ボクのなかでの鈴置さんの声のイメージはなんと言ってもガンダムのブライト・ノアだ。
去年から今年にかけて放映された、Zガンダムの映画3部作でもこのキャラを再演されていてたのが今も記憶に新しい。
肺ガンだったなんて・・・



ガンダムの放送開始から今年で27年。
ガンダムは今も愛される名作でありますが、その名作の制作に関わった方々は近年どんどん死んでいく。

マ・クベ大佐を演じた塩沢兼人。
セイラ・マスを演じた井上搖。
映画版ガンダムの主題歌を歌った井上大輔。
そして鈴置さん・・・

死という定めは絶対ではありますが、それでもやはり悲しすぎます。
が、今どうこう言っても生き返るわけでもない。
今はただ、静かに鈴置さんの冥福を祈るのみです。



鈴置洋孝さん、どうぞ安らかに。