新訳Zガンダムの第3部「星の鼓動は愛」が本日から公開されます。

Zのテレビ放送から20年の節目として、新たなストーリーを映画にして描くというコンセプトの新訳Zガンダム、終に完結編が公開されるのです。

実を言うとボクは、ロー○ンの戦略にやられて前売り券なるものを購入してしまいました。

そらぁファンなら第1部から第3部までのポスター付きなら買っちゃうでしょう!?

まぁ、ボクはZのファンなので確実に映画館で見るつもりだったんで別にいいんですけどね。

20年も前のアニメを今更映画で作り直すってどうやねん、といわれそうですけど。

原作・監督・脚本を手がけた富野由悠季にとって、Zガンダムは嫌々作ったと言わざるを得ない作品だったので、作り直しを20年の節目の年に作り直そうと思ったのかもしれません。

ガンダムシードのストーリーに大激怒して、これが真のガンダムだ!というために製作を決定したという説もありますけどこれは多分ウソでしょう。

富野監督は、ファーストガンダムで原作・脚本・監督、さらにはテーマ曲の作詞から絵コンテ、小説版の執筆までをもこなした、まさにミスターガンダムなかたです。

いうなれば、ガンダム教の教祖様とでも言うべきアニメのカリスマです。

ファーストガンダムの爆発的ヒットにより一気にその知名度をあげ、その後も様々なアニメを製作しますが、

どれも不発におわります。

ついには製作者側から富野監督に「ファーストガンダムの続編」を作れとまで言われてしまいました。

これに富野監督は絶望しました。

作家にとって大ヒット作の続編を作れといわれることは、「新しい作品を一から作るのは無理」と宣告されるようなものらしく、富野監督は心底落ち込みました。

そんな鬱屈した気持ちでできあがったのが、「機動戦士Zガンダム」でした。

そんな心理状態の作者の気持ちを反映してか、Zガンダムは非常にシリアス且つみていてツライ作品となりました。

ファーストガンダムのアムロ・レイ以上に感情移入しにくい主人公カミーユ・ビダン。

彼は自分の女性のような名前に嫌悪感を持っていて、それを馬鹿にする者は誰であろうと殴りかかる直情径行な性格で、さらに自分の都合で大人と子供を使い分ける、好漢とは言いがたい卑怯な主人公です。

なんか登場人物がみんなイライラしていて、自分のことでいっぱいいっぱいなキャラクターばかりで、よりかかろうとすればぶつかり合ったり拒絶したりする、そんなやるせなさが全開です。

さらにはストーリーもかなりシリアス、敵味方関係なく登場人物が死にすぎなんですよ。

敵勢力「ティターンズ」で生き残るキャラクターって一人だけなんですけど、そいつも酸素欠乏症にかかってラリってるし。

主人公が所属する勢力「エゥーゴ」だって、主要なMSパイロットはほぼ全員戦死か行方不明ですし。

果てには、主人公が最後に精神崩壊を起こすというショッキングなエンディング。

とまあ、こんな感じでかなりシリアスな内容なんですけど、Zファンはかなり多いというのも事実です。

世界観がよくできているし、登場するモビルスーツ(ロボット)はかっこいいし、ほとんどのキャラクターが人間的な弱さや脆さを持っているところが面白いんです。

特にキャラは、富野監督のガンダムでは「人間くささ」が如実に出ているので、ヒーローだって一人の人間なんだって思わせる。

悩みもするし、怒ったりもする、泣くときもあれば笑うときもある。

そんな人間味あふれる作風が、言うなればガンダムの真の魅力だとボクは思っています。

Zガンダムは、登場人物がそれぞれの信念や理由で戦争をしています。

大義名分を掲げていても、実は極めて個人的な思惑をもっているものもいます。

そんなキャラクター達が複雑に絡み合う、シリーズでも有数の人間ドラマであるとボクは思います。

だからこそZガンダムはファンが多いのではないでしょうか?

たかが昔のロボットアニメと侮る無かれ、ガンダムはロボットアニメの名を借りた人間ドラマですよ!

もう書きたいことが多すぎてまとまりきらないでしょうからまとめにはいります。

そんな鬱屈した気持ちでできたZガンダムを富野監督は作り直しをずっと考えていたらしく、20年の節目に「新訳Zガンダム」と称して映画の3部作を作り上げることを決心しました。

鬱屈としたストーリーからの脱却とエンターテイメント性を高めて、素直に楽しめる作品をつくろうと動きだしたのです。

確かに登場人物たちのイライラしたところは緩和されて、随所に新たなシーンを追加しているのでテレビ版の印象とはけっこう違ってかんじます。

手放しに賞賛はできない節もありますが、とても面白い映画だと思います。

そんな新訳Zの完結編である「星の鼓動は愛」

「だれも知らないラスト」というキャッチコピーはなにを意味するのでしょうか?

気になって仕方ないんで、近日中に観にいってその詳細を自分の目で確認することにします。

おそらく今日のこの記事をちゃんと最後まで読んでくれる人はいないんでしょうけどね・・・