アネモネです。








慶應義塾大学
卒業試験(口頭試験)

始まる。








そこには、
いつもと違い、ピシッとした面持ちのミスターX教授と、
初めて顔を合わせるミスターQ教授が、
並んで座っていた。





私「アネモネと申します。
本日はよろしくお願いいたします。」





ミスターX教授(ノースマイル)「席におかけください真顔





……………。





沈黙が流れる。

いつものミスターX教授じゃない❗ガーン
優しくない❗




ミスターX教授(ノースマイル)「本日副査をしてくれるのは、ミスターQ教授です。
ご専門は江戸時代の教育史でいらっしゃいます。」




↑ミスターQ教授



会釈するミスターQ教授。





私「よろしくお願いいたします。」




ミスターX教授(ノースマイル)「ではまず、論文の内容を手短に説明してください真顔。」






私は手元の「論文レジュメ(A41枚、自分で作成)」をチラ見しながら、
論文の内容を手短に説明した。





………手短にしたつもりなのに、
あっという間に10分も経ってしまった滝汗



ミスターX教授(ノースマイル)「論文の内容はわかりました真顔
では今から質疑応答に入ります真顔。」





Q.なぜこの女性達は、学問を続けて、
女学校も作ったのでしょうか?





私「それは………、彼女達が学ぶ事が好きで、
女性達に学ぶ環境を作ってあげたかったからだと思います。」




ミスターX教授(ノースマイル)「学校を作るのは、自分の生活の為というのはないのでしょうか真顔









え?


ミスターX教授今までの三回にわたる卒論指導の時にそんな問いかけを一度もしてくれなかったのになんで今になってそんな変化球を投げつけてくるのかしらお陰でそんなこと全然考えて来なかったぢゃないのあの時言ってくれたら以下省略
(以上アネモネ心の声。)





私「経済的な問題と言うより滝汗
やはり
純粋に女性の学問向上の助けをしたかった
から……かと……滝汗




ミスターX教授(ノースマイル)「僕はそうは思わないですが真顔
やはり経済的な理由も大きいと思います真顔。」






口頭試験の最中に、
まさかのミスターX教授と意見が別れる件。








こ、これは………。





(画像はお借りしました。)




松任谷由実さんの 🎵リフレインが叫んでる 風に



♪どうしてどうして僕ーたちはー

 意見違っあてるんだーろおー

 耳タコできるほど 確~かめたー❗

注☆よい子の皆さんは、
卒業試験の最中に替え歌を歌わないでくださいね✨



どうしよう。
私ったら、女性教育者の"教育"のことばっかり考えて
執筆していたかも。
学校設立の理想→日本女性の教育向上
学校設立の現実→生活費を稼ぐため
という線から捜査はしていなかったわ。





(↑歴史捜査の漏れが見つかり悔しがる図)





ミスターQ教授「じゃあ、私からも質問させていただきますニコニコ


いや、私も江戸の教育史が専門ですので、
アネモネさんの研究は非常~に興味深かったです!
それで、質問なんですけどニコニコ





私「はいっ‼ガーン





女学校を創設した
初年度の生徒数は
何人だったんですか?






な、なんというマニアックな質問!!
しかも数値で答えさせるなんて!
でも困らせる為の質問というよりは、




教授の溢れる興味から質問されている❗




私「初年度の生徒数は………………」






あ。



その時、ふと思い出した。








昨日、手提げに詰めた、
システム手帳を。






(あそこに、マニアックに、初年度の生徒数が書いてあった!!)




私「資料を見ながら答えさせていただきます。
全ての学校の初年度生徒数はわかりませんが、
例えば○○女学校の初年度生徒数は、
38人です。」






ミスターQ教授「ええ‼そんなに多いんですか!?
もっと少ないかと思った(笑)。へぇ~!面白い!」





ミスターQ教授の方が専門が同じだから、
きっとミスターQ教授が指導教授だったとしても
楽しい卒論生活が送れたんだろうなと
ふと思った。





他にもいくつか質問があったが、
どうにかやり過ごした。




ミスターX教授(ノースマイル)「総合的に、よく書けていると思います。
しかし研究とは、執筆校了したから終わりという訳ではありませんよ。
ひとつの研究が終わり、また新たな課題が見えてくるものです。
引き続き、女性教育者達の経済的背景等も
調べて見てください。」





私「わかりました!」




ミスターX教授(ノースマイル)「………では、
卒論の質疑応答は以上です真顔
次は、修得した科目試験について、ですね。」






最大の山場が、終わった。