友よ、ラパスで会おう
先日、昼間っからベンチに座ってコロナを飲んだ。(学校で)
薄っぺらいコロナの味とライムの香り。
ぽかぽかの太陽。
ちょっと肌寒いぐらいの強めの風。
もう2か月も前の事だというのに、細胞の一つ一つがメキシコのあの日を思い起こすから不思議な物だ。
お昼をちょっと過ぎた時間。
少し(ほんの少し)ぎらつき始めた太陽。
海から吹き付ける肌寒いぐらいの強めの風。
ラパスの海岸沿い、マレコンをふらふらと歩く。
遠くに見えるレストラン「キウィ」。
待ち合わせ時間は12時ジャストだったが、そろそろ半になるぐらい。
「キウィ」に向かって歩いていくと、髭もじゃのおっさんとばったりあった。フェリーから一緒だったドイツ人のフランツだ。
「いやーあそこのレストランに俺の友達がいるかもしれないんだよ、いるかどうかは分かんないけどさ」
「おぉ、まじか!?会えるといいなぁ、幸運を!」
等と言いつつ別れる。
徐々に近付いてくるレストラン。ビーチに面した席に、黒髪の東洋系の女の顔が見える。 その向い側には微妙な茶髪の男の後ろ姿。
‥あれっぽくねぇ?……あれだよな?……あれだ。……アイツだ、間違いない!
ビーチを走り、店の塀越しに思わず叫ぶ。
「ぉぉぉぉおおおおおお!!カスマ(仮)ーーーー!!!!」
驚いて振り向くカスマ(仮)、と店員。
「おおおおjoe!!joe!!!」
塀を乗り越え、ビーチに飛び下りるカスマ(仮)。そしてぎゃぁぎゃぁと騒いでハグ→相撲をとる訳の分からない日本人が2人。
呆然と見る(しかない)連れのカズミ(仮)(このとき初対面)、と店員。
そんな2005年バレンタインデーの夏だった。
