すっかり、なおざりになってますが、ふと、逮捕された頃の自分を振り返ってます。
 拘置所に入ってしばらくすると、何もすることが無くただ一日の長さだけを感じるようになりました。
 最初の一週間ぐらいはただ、思考回路は逮捕された事に対して、ショックで、落ち込むだけで先のことはまったく考えられずに、ひたすら、面会を待ち家族のことが気になっていただけで、そのもどかしさに押しつぶされてるといった感じでした。
 そして、そのことがだんだんと、意味をなさないという事に気づかされ、今度はどうすれば、時間の長さを感じないように出来るのか、ただそれだけを考えるようになりました。
 まず、どうせ、二年間ぐらいは娑婆に出る事が出来ないのだから、その事をうだうだ考えずに受け止めるということでした。
 これは、三ヵ月後ぐらいに受ける判決を待たずに覚悟を決めるという事でもありました。
 執行猶予中の逮捕なので、ほぼ実刑になるという事は、だれに聞くまでも無くわかるはずでしたが、当時は同じ留置場に拘置されてる仲間から、ダブル執行猶予になる事例もある話を聞いたりして、結構心揺れたものでした。そうなると、何とかそうなるような策は打てないものかと考えたものでしたが、まったく家族の助けが無い以上それは無駄な事だとすぐ気づかされるのです。
 そうなると、これからの二年間を、いかに有効に使い、逆に服役してよかったと思えるようにするには、どうすれば良いのか…。そして、その事を、自分自身だけではなくて、傍に思わせる。
 これを、目標にすると決めました。