今回も前回の続き。

 

 

 

 

 

予定していた飛行機に

乗れない可能性が出てきた。

もうショックすぎる。。。

これで最後と思って

頑張ったのに。

 

 

 

 

 

しかも自分の病気について

グランドスタッフに

話し出す主人。

 

 

 

 

 

双極性障害とかならいいけど

アルコール依存症のことまで

話している。

やめてくれ。。。

 

 

 

 

 

酩酊状態の人は

乗せてくれないことがあると

聞いたことがある。

 

 

 

 

 

近くにいないから

黙らせることもできないし、

グランドスタッフは英語が理解できるので

もうどうしようもないか。

 

 

 

 

 

お酒のにおいに敏感なわたしからすると

家を出る時、

「酒臭い!」

と思ったけれどどうだろう??

どんなふうにチェックされるのだろう??

アルコールテスター??

 

 

 

 

 

それなら恐らく

見た目から想像するほど

量は飲んでいないので

いけるかもしれない。

 

 

 

 

 

手荷物の重さは追加料金なく

いけたみたい。

よかった。

 

 

 

 

 

 

グランドスタッフと主人の動きが

止まった。

あとは連絡待ちなのかな。

あーーードキドキする。

 

 

 

 

 

わたしも大阪から羽田への飛行機に

乗り遅れたことがあって

その頃は携帯から手続きができないほど

昔のことだけど

その時はチェックインすらできひんかった。

けど主人出来てたよな。

よく仕組みがわからない。

 

 

 

 

グランドスタッフの方に

電話がかかって来た!

電話をとったスタッフの方が

主人に話をしている。

もう一人のスタッフの方が

わたしのところへやって来た。

 

 

 

 

なんと、、、

「ご搭乗いただけることに

なりましたので、

今すぐ保安検査場へ向かってください。

優先的にさせていただきますので

ご安心ください。」

 

 

 

 

 

「やったーーーーーー!!」

これで本当に安心していいんですね!?

アルコールのチェックもなかった。

良かった。

 

 

 

 

そのスタッフと主人とで

保安検査場へ向かう。

 

 

 

 

 

主人は状況がわかっていないのか!?

「タバコ買わないと。

コーヒー1杯。」

などと言っている。

 

 

 

 

 

主人の国のタバコは

1箱数千円やったかな?

で高いから買って帰りたかったのでしょう。

 

 

 

 

 

「そんな時間ないから。

飛行機の中でコーヒーは

もらえるやろ。」

と伝えた。

 

 

 

 

 

 

保安検査場に着き

わたしはそこまでしか行けないので

Wish you luck!

と言って手を振った。

 

 

 

 

 

「え、ここまでなの?

最後なの?」

とまた泣きだす戻ってくる主人。

 

 

 

 

「ほら、早く行かなきゃ。」

 

 

 

 

 

「This might be the last hug.

Give me a hug.

You do not need to give me a proper hug cause my rib's broken.

So...please give me a hug.

Kudasai.」

 

 

 

 

ちょっと映画のセリフのみたいやん。

と思うくらい余裕があった。

ハグしてきたけれど

ハグし返したくもなくて

わたしが腕を回さずにいたら

そう言われた。

 

 

 

 

なので軽く腕を回して

そしたらなんだか泣きそうになったので

それ以上は何も言わなかった。

 

 

 

 

 

最後に見た主人の顔は

泣き顔だった。

今思えば笑顔がよかったな。

最後まで主人は主人だった。

 

 

 

 

 

主人の姿が見えなくなったら

今度はわたしの涙が止まらない。

主人みたい。

 

 

 

 

 

この状態のまま

電車に乗りたくなくて

しばらく空港内を歩いた。

 

 

 

 

 

無だった。

本当になにも考えられなくて

自分でも何をしたいのかわからないまま

空港の中を店が閉店するまで

歩き回っていた。

 

 

 

 

 

 

何も買う必要がないのに

何か買わないといけない気がして

なぜかROYCEを爆買いして

それからやっと帰るため

NAVITIMEで再び時間を調べだした。

 

 

 

 

 

そしてふと思った。

主人乗れたよね?

きっと搭乗するところまで

あのスタッフの方が主人に

ついていてくれたよね?

 

 

 

 

 

主人のことだから

保安検査場で、

「あとはご自分で。」

なんて言われていたら

その辺で道草食ったり

道に迷ったり

わざと乗り遅れた振りしそうだもの。

 

 

 

 

 

その時すでに

飛行機は離陸時間を過ぎていた。

もういいよね、とりあえず今は。