私たちの宿泊テント村には、能登のマザーテレサが来る。ご近所のご婦人達が、炊き出しをしてくださっていて、それも、食材費はどうやら自腹らしい。


自分の家は崩れて納屋に住んでいるというのに、私たちに毎晩有り余るほどの熱々の汁や煮物を出してくれる。昨日なんかはアンコウ汁だった。


横殴りの雨が入りこんでくれば、身を挺して遮ってくれる。


なんでじゃ。僕なんかはただ、酒ばかり飲んで仕事もろくにしないボンクラだから、罪滅ぼしのために来ているだけなのに。


現場に行けば、おじいさん、おばあさんは涙を流して喜んでくれる。僕はただそこに行っただけだ。来てくれて嬉しいと言ってくれる。


僕はここに来て日に何度も涙が流れる。