シードル (仏:シードル cidre 、英:サイダー cider、西:シードラ Sidra、バスク語:サガルド Sagardo )とは、林檎を発酵させて造るアルコール飲料で、発泡性であることが多い。
日本では、リンゴ酒とも呼ばれている。
世界各地で造られているリンゴ酒について
フランス
フランスのブルターニュ地方とノルマンディー地方のものが、とくに有名である。
シードルを蒸留すると林檎のブランデーが造られ、それら中でも特に有名なものが「カルヴァドス」である。
また、シードルと類似するものに、梨を原料とした「ペリー」がある。
19世紀末ごろまでは、ヨーロッパでは、衛生上生水を飲むことが大変危険なこととされたので、幼児のうちからこれらを飲んでいたようである。
フランスでは、ワインと同様に、「原産地呼称規制(AOC)」の対象となっている。
スペイン
古くからカンタブリア山脈一帯でシードラが造られてきた。
19世紀以降は、アストゥリアス州、ギプスコア県、ナバラ自治州北西部に生産地が集中している。
これらの地域では、祝祭の行事をする際、シードラは欠かせないものとなっている。
いつしか、地元原産のリンゴ栽培が減少したために、外国産のリンゴ果汁と混ぜてシードラが造られるようになった。
2002年11月より、アストゥリアス州では、地元原産のリンゴ果汁のみを用いたシードラに対して、DOPの「シードラ・デ・アストゥリアス(Sidra de Asturias)」の名称を許可した。
一般的に、アストゥリアス産のシードラは、バスク産シードラよりやや甘口であり、逆に、バスク産シードラは、アストゥリアス産シードラより酸味が強いとされている。
イギリス
イギリスでは、同じくリンゴ酒(多くの場合、発泡性のもの)を指している。
イギリスでは、無名ブランドのものが非常に安価で売られている。
また、口当たりもいいことから、アルコールを飲み始めた10代の労働者階級の子供が飲む最初のアルコールとしてポピュラーである。
北米
植民地時代のアングロアメリカでは、衛生的な飲料水が手に入りにくかったことから、ヨーロッパ人の入植者がリンゴ酒を醸造してよく飲んでいた。
1920年代の禁酒法施行とほぼ時を同じくして、アメリカ合衆国では、「サイダー」というと、通常は発泡性のリンゴジュースのことを指すようだ。
それは、かつてリンゴ酒の代替品の「ノンアルコールサイダー」として宣伝していたマーティネリ社の「マーティネリズ・スパークリング・アップルサイダー」の影響があるみたいだ。
現在でも、アメリカとカナダの一部では、普通、「サイダー」というと、アルコール分を含まない果汁100%の「リンゴジュース」のことを指している。
どうも、それらの性質は地方によって異なっているようだ。
例えば、アメリカのある一部の地域では、濾過や熱加工を施していない果汁100%の「リンゴジュース」のことを指している。
この飲み物は、秋から冬にかけての季節商品であり、褐色をしており、熱処理していないので日持ちしない。
また、時間が経つと濁っるばかりか、自然発酵して、二酸化炭素が発生するので、炭酸飲料のような味になってしまう。
ちなみに、アルコール分が、0.15%を超えるようなサイダーは、「ハードサイダー (hard cider) 」に分類されている。
また、他の地域では、一般的に、無濾過で、未発酵のリンゴジュースのことを指しているようだ。
中でも、ペンシルベニア州の州法では、「アップルサイダー」の定義があり、「リンゴから絞った、琥珀色、不透明、未発酵のアルコール分を全く含まないジュース」と規定されている。
なお、前述のマーティネリ社のスパークリングサイダーは、琥珀色の透明であり、地方によって「サイダー」あるいは「ジュース」という名称で販売されている。
また、日本で販売されている炭酸飲料のことを「サイダー」と言うのは、このサイダー (炭酸が入ったリンゴジュースという意味で) に由来しているようだ。
「ハードサイダー」は、ニューヨーク州とニューイングランド地方が主な産地であり、「サイダージャック (ciderjack) 」と呼ばれることもある。
ケベック州のオルレアン島では、冬季に、リンゴ100個から1本のアイスシードルが作られている。
そして、「サイダー」からは、琥珀色のリンゴ酢(サイダービネガー)が造られる。
ドイツ
ドイツでは、フランクフルトのリンゴ酒が有名だが、こちらは、「アップフェルヴァイン(de:Apfelwein)」と呼ばれている。
フランス産の「シードル(de:Cidre)」とも区別されている。
そして、フランス産のものとは味も異なる飲料である。
特に、発泡の具合がきめの細かいフランス産に対して、こちらは大粒なのが特徴である。
日本
日本では、第二次世界大戦後に、青森県弘前市の吉井酒造がフランス人技術者を招いて醸造したのが最初とされている。